花王 食用油でトクホ許可申請 (2019.7.11)
花王が、α‐リノレン酸ジアシルグリセロール(ALA‐DAG)を含む食用油での特定保健用食品許可に向けた事業展開を始めた。同社では以前より、同成分の安全性をはじめ、長期摂取による臨床試験などを多数論文発表しており、「(同成分の)食品事業を進める方向にあるが、トクホはあらゆる可能性のひとつ」といい、様々な食品形態での事業化を進めていく考えだ。
今月3日、消費者庁がトクホの表示許可申請のあった5品を発表し、そのうちの4品が花王による申請だった。α‐リノレン酸ジアシルグリセロール(α‐リノレン酸として)を関与成分に、「内臓脂肪が多めの方、BMIが高めの方、血中中性脂肪が高めの方に適する」旨の表示許可を求めた食用油4品を花王が申請した。
花王が以前販売していた食用油のトクホ「エコナ」の関与成分はジアシルグリセロール(DAG)だった。今回申請したALA‐DAGは、「脂肪酸の組成も違うし、原材料も異なる」としている。
2009年に、DAGにグリシドール脂肪酸エステルが含まれることが判明。グリシドール脂肪酸エステルは、発がん性リスクのあるグリシドールに変換する可能性が一部で指摘されていたことで、安全性に対する懸念が社会問題化。結果、花王はエコナのトクホ表示許可を自主的に取り下げた経緯がある。