進むアジア進出 DgSも(2019.7.25)


 海外に目を向ける国内企業が増えつつある。健康食品受託のアムスライフサイエンスは中国・杭州に製造工場を設け(=1面記事参照)、同業のファインはアジア圏での販売拠点を拡充させる。さらにドラッグストアでも、マツモトキヨシが香港、ベトナムへの進出を計画。各社とも、日本製の健康食品や化粧品に対するアジア市場での需要を取り込み、一層の成長に繋げる構えだ。

ファイン 海外販売拠点を拡大 中国・杭州市とシンガポールに
 各種健康食品製造販売のファインは、中国杭州市とシンガポールに新たな販売拠点を設けた。杭州市には支店、シンガポールには合弁会社を設立。製造拠点は日本国内に置きつつ、同2拠点を通じ、中国における越境EC展開や、東南アジアにおける事業拡大を加速させる。同社が7月12日発表した。

 同社ではこれまでに、香港や米国、台湾、ベトナムなどに7カ所の海外拠点を設けていたが、今回の2拠点が加わることで、現地の市場ニーズに対応するなどしたグローバル展開を加速させる。

 同社は2010年に北京支店を設け、天猫国際など複数のECモールで健康食品などを販売してきた。そのなかで、「杭州市は中国のデジタル経済の中心といわれ、各種メディアでの集積が充実している」ことから中国第2の支店開設に杭州市を選んだ。将来的には中国国内での販売も視野に入れる。

 シンガポールについては、マレーシアの海外代理店で健康食品などを販売するケーソン・インターナショナルとの合弁会社「ケーソン・ファイン・ジャパン」を今年5月に設立。資本金は860万円。ファインの子会社でアセアン諸国を統括するファイン・グループ(香港)が60%、ケーソン社が40%出資した。これまでは香港を拠点にアセアン諸国への展開を進めてきたが、今後グローバル展開していくのに際し、世界の企業が集まるシンガポールを第2のハブとすることが今後の事業拡大に必要と判断した。

マツモトキヨシHD 香港、ベトナム進出へ 日本製化粧品・健食の需要取り込む
 マツモトキヨシホールディングスは、香港とベトナムに進出し、ドラッグストア事業を手掛ける準備を進めている。両国とも美容・健康意識が高まっており、日本製の化粧品や健康食品を中心とする需要を取り込めると判断した。これまでに出店していたタイと台湾に続き進出地域を拡大させ、訪日外国人観光客も多いアジア市場での更なる成長を図る。

 同社は7月16日、ドラッグストア事業展開を目的として香港に現地法人を開設すると発表。同時に、ベトナムでは現地法人とドラッグストア事業を展開する基本合意を結んだと発表した。

 香港については海外市場調査を目的に以前設立していた「マツモトキヨシ香港」の全株式を取得して7月末を目途に子会社化し、ドラッグストア事業を手掛ける現地法人とする。ベトナムについては現地で食品製造や流通卸など手掛けるロータス・フード・グループと合弁でドラッグストア事業を進める方向だ。

 ベトナムについては、都市部を中心に美容・健康への意識が非常に高まっていると同社は見ている。また、同国からの訪日外国人観光客の購買情報を踏まえ、「いまだベトナムで販売されていない日本の化粧品や健康食品には安定的な需要が見込まれる」としている。現地に出店することで需要を取り込む考えだ。

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