消費者庁長官 健康食品の崩壊性で見解 (2019.8.22)
国民生活センターが今月1日に報告書を公表した錠剤・カプセル状健康食品の品質実態調査で、医薬品に定められた崩壊時間内に崩壊しなかった製品が約4割あったことについて、消費者庁の伊藤長官は同7日の定例記者会見の中で、「(健康食品の)崩壊試験は義務要件ではなく、医薬品の規定を当てはめたものをもって、直ちにこれが不適切だという認識は持っていない」と述べた。
「品質面で欠陥を持った商品が市場の4割以上を占めている」と指摘しつつ長官の見解を尋ねる質問に答えたもの。
ただ、伊藤長官は、「食品の品質は一義的には事業者で確保されるものだと思う」とした上で、「健康食品関係団体と意見交換をさせていただいて、事業者によって適切な品質管理がなされるようにしていきたい」とも述べた。同報告書が指摘した機能性成分の表示量と実際の含量のかい離の問題も含め、業界に品質管理の徹底を求めたい考えを示唆したといえる。
一方、同報告書に関する伊藤長官の問題意識は、品質よりも、病気や治療のために健康食品を飲んでいると回答した人が約2割も存在したことの方により強く向いているとみられる。「健康食品とはどういう性格のものかということについて、あらゆる機会を捉えて情報発信していく必要があると思いながら、報告書を読んだ」と述べた。
【写真=消費者庁 伊藤長官】