大阪府警 薬機法違反で逮捕者 「がん細胞自滅」謳い販売か(2019.8.22)
「がん細胞が自滅する」などとホームページで謳いながら健康食品を販売していたなどとして、大阪府警は8月7日、東京都の健康食品販売会社代表ら4人を医薬品医療機器等法違反(未承認医薬品の販売等)で逮捕したと、NHKや時事通信など多くのメディアが同日伝えた。
各社の報道によれば、逮捕されたのは東京都中央区の健康食品販売会社「シンゲンメディカル」(東京都中央区)の社長ら幹部4人。販売していた健康食品を同社ホームページ上で「がん細胞が自滅する」などと表示し、今年5月から6月にかけ、大阪府内のがん患者ら3人に販売していたとみられ、未承認医薬品販売の疑いがもたれている。ただ、4容疑者はいずれも、表示や販売は「適法だった」などとして容疑を否認している。
産経新聞ウェブ版では、同社はホームページ上で「がん細胞を自滅させたとするマウス実験のグラフや図表を用いて解説」(8月7月付産経WEST)するなどしており、「『がんが治る』などの明確な文言はないものの、府警は『がんへの効果を装っているのは明らか』と摘発に踏み切った」(同)府警の動きも報じた。
共同通信、朝日新聞などによると、同社はこれまでに大阪市から複数回にわたり薬機法に基づく行政指導を受けていた。
また、複数の報道は府警生活環境課の調べとして、同社は2016年2月から3年間で29億円弱を売り上げていたとみられること、1箱約2千~3千円で仕入れた製品を5万円以上の価格で販売していたことを報じている他、同社が販売していたのは『全分子フコイダンエキス2000』という健康食品だったとしている。
ウェブサイト上に残されている同社の求人情報によると、同社はクリニックの経営にも携わっていた模様。また、特許庁がまとめた特許情報によると、同社は17年、糖類から得られる組成物「フランDグルコース」について、「抗腫瘍剤の製造方法、抗腫瘍食品の製造方法及び抗腫瘍医薬の製造方法」を発明名称とする特許を取得していた。
同社は05年に創業。代表者は73年生まれの大阪出身男性。03年に大阪で健康食品のEC事業を立ち上げ、05年に法人化、12年に現社名に変更。東京に本社を置き、大阪に支社があったとされる。