伊藤園、抹茶を届出へ 認知機能で 臨床試験開始明かす(2019.9.12)
伊藤園が抹茶製品による機能性表示食品の届出に乗り出す。同社は8月30日、抹茶摂取による認知機能改善の脳メカニズムに関するヒト試験を開始すると発表した。届出を前提とした臨床試験開始を公表するのは珍しいケース。届出が実現すれば抹茶で認知機能を訴求する初の機能性表示食品となる可能性もある。
ヒト試験は理化学研究所の健康・病態科学研究チームと共同で行う。研究期間は8月22日から来年3月まで。40歳以上60歳未満の健康な男女60名を対象に、30名づつ抹茶カプセルを摂取する群とプラセボカプセルを摂取する群に分け、1日9粒、12週間摂取してもらう。
試験は機能的磁気共鳴機能画像法撮影装置(fMRI)を用いたプラセボ対照二群間比較試験。抹茶が認知機能の維持・向上させる作用機序を、脳機能と脳構造の観点から解明する。
茶葉には様々な機能性成分が含有されているが、抹茶はテアニンの含有量が多いことで知られる。伊藤園では、2017年にも抹茶の継続摂取によるヒト臨床試験を実施しており、注意機能や実行機能が向上したとの研究成果をまとめている。同社によると、今回の試験を通じて、脳内における抹茶機能性成分の作用機序など詳細なメカニズムの解明に繋げていきたい考え。
同社では今回の臨床試験の結果を踏まえ、抹茶関連製品の機能性表示食品の届出を目指す方針。「最終製品による届出ではなく、研究レビューによるものになるだろう」(広報部)としている。