大腸ケア啓発を推進 武田、森永など4社が情報発信(2019.9.26)
業界の垣根超えて 医・食分野で大連携
医薬品と食品の業界の垣根を越えた大腸ケアの取り組みが始まる。武田コンシューマーヘルスケア、帝人、東亜薬品工業、森永乳業の4社が連携し、それぞれの大腸ケアに関する知見を活用した情報発信や、各社で取扱う製品の店頭での販促を支援する共同POPの活用などを通じて、「腸活」を進展させた「大腸活」の必要性の浸透を図る。
24日、4社を参画企業とする「大腸活コンソーシアム」設立発表会が都内で開かれた。同コンソーシアムでは、近年「腸活」が話題になる一方で、大腸に関する理解が不足していると指摘。健康長寿の要である大腸ケアの重要性を啓発するとともに、ビフィズス菌や酪酸菌、水溶性食物繊維を摂取することで、腸内フローラをケアする取組みを「大腸活」と名付け、一般消費者への啓発を推し進める。
特に重要視するのが、水溶性食物繊維を餌として、善玉菌であるビフィズス菌、酪酸菌が産生する酢酸や酪酸、プロビオン酸などの短鎖脂肪酸。腸内で短鎖脂肪酸が不足することで腸内フローラが乱れ健康リスクが高まるとし、「代謝や免疫機構において短鎖脂肪酸がキーファクターとなる」(事務局)としている。
当面の活動は、医薬品、食品の分野で大腸ケアの取組みを進めている4社を主軸に啓発を進めるが、「例えば運動による腸内の活性化や、大腸内を検査する機器なども大腸をケアする領域として考えられる」(事務局)として、口から摂取すること以外で大腸ケアの実践可能な企業、団体などの参画にも柔軟に対応する考えだ。参画4社がこれまで単独で取組んできた全国の自治体や地域と連携した啓発づくりなどをコンソーシアムとしても取り組んでいく予定だ。
参画4社が手掛ける大腸ケア製品には、東亜薬品が製造し武田コンシューマーが販売する整腸剤「ビオスリー」、帝人が水溶性食物繊維のスーパー大麦とチコリ由来のイヌリン、森永乳業のヨーグルト「ビヒダス」などがある。
森永乳業では、今月下旬から既存品「ビヒダス」のパッケージを刷新し、「大腸サポート」「ビフィズス菌で大腸活」といった表示を加えたり、帝人のイヌリンを用いたヨーグルトの販売を今月24日から始めている。
帝人でも、スーパー大麦を用いた一般流通向け最終商品を来月から投入するなど、コンソーシアムとしての大腸ケアの啓発が始まっている。
【写真=武田コンシューマーヘルスケア、帝人、東亜薬品工業、森永乳業の4社が連携した「大腸活コンソーシアム」】