ビルベリー 今季も収穫不良に 産地各地で天候不順 (2019.10.10)
ビルベリー果実の取引価格が再び上昇していると、複数の原材料事業者が伝えている。収穫期は毎年8~9月頃。その前の時期の天候が果実の健全な生育を妨げたようだ。「この10年で最も収穫が悪い」ともささやかれている。
北欧を中心に東欧、バルト諸国で収穫されるビルベリー果実を巡っては、2シーズン前、天候不順による収穫不良に現地果実サプライヤーが堪らず値上げ。前のシーズンも収穫状況がさほど好転しなかったため高止まりのまま推移していた。今シーズンはそこから更に価格が上がっているという。
今シーズン果実の取引価格については、前シーズン取引価格比で1~3割、あるいは2倍などと複数の数字が聞かれるものの、「前のシーズンよりも高い」という点では一致している。今シーズン果実を原料として使うエキスについても一定の価格上昇は避けられないと考えられそうだ。
7月上旬頃までの時点では良好な収穫が一部で予想されていた。だが、それ以降、「一部の地域では熱波と降雨不足で果実が損傷、別の地域では気温が急に低下して果実が落下、さらに別の地域では大雨により果実が変色と、どこもかしこも天候不順」(ビルベリー原材料事業者)に陥るこれまでに例のない状況に見舞われたという。
実に3シーズン連続の収穫不良となる。ビルベリーエキスの原材料事業者、最終製品販売会社ともに、安定供給のために苦しい対応を迫られることになりそうだ。現地の果実サプライヤーは、玉が余れば取引価格を下げてくる可能性も十分考えられるが、玉が余る保証はない。
アイケア素材として消費者認知度も高いビルベリーエキスは現在、機能性表示食品としての活用も多い。国内市場規模は本紙の推測で80㌧前後とみなれる。最盛期に比べると市場規模は縮小気味だが、多くの消費者に愛飲されている。
【写真=アントシアニンを豊富に含む北欧原産ビルベリー果実】