卸通販EC、高まる関心 〝重い〟プロテインが人気(2019.10.24)


 健康食品の卸通販EC市場規模が増加傾向にあるとする調査結果を富士経済が10月18日に発表した。2018年の市場規模は152億円で、前年比7%のプラス。健康食品通販市場は自社通販を中心に伸びてきたが、自社メディアでの集客に限界を感じ、卸通販ECを検討する企業が増えつつあるという。

 卸通販ECは、メーカーがアマゾンなどのECプラットフォームに出店するのではなく、プラットフォーム企業が商品在庫を自ら保有して消費者に販売するというもの。富士経済の調べによると、総市場に占める卸通販EC化率はまだ低いものの、他のチャネルと比較して伸びが高いこともあり、率は毎年上昇。「新たな販売チャネルとして存在感が増している」。

 健康食品の卸通販EC化率は1.6%程度にとどまる。ただ、プロテインのパウダー品に限定すると、その率は10.6%に跳ね上がり、18年の市場規模は前年比9.5%の46億円と、健康食品卸通販EC市場全体のおよそ3割を占める。

 同社では卸通販ECの売れ筋商品のキーワードについて、重い▽かさばる▽保存が効く▽ニッチ▽日常消費▽コンプレックス──などを挙げている。このうちプロテインのパウダー品は「重い」に該当するため、「通販適正が高く健康食品の中でも卸通販EC化率が高い」としている。

 この他に卸通販EC化率が高いのは、ベビー用紙おむつで20.7%。また、「ECの方が店頭よりも品揃えが豊富」(同社)であることなどを背景に、漢方処方エキス製剤も14.1%と2ケタに達しているという。

 なお、同社は今回の調査結果を、「ECプラットフォームとの共存を模索するメーカーの通販チャネル戦略2019」にまとめている。

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