大塚製薬、乳酸菌で臨床試験 抗アレルギー機能 花粉学会で発表(2019.10.24)
植物由来の乳酸菌「B240」に、スギ花粉に対する抗アレルギー作用があることを大塚製薬が臨床試験で確認し、先ごろ開催された日本花粉学会で発表した。スギ花粉曝露によって軽度のアレルギー反応を示す人に対して、「緩和策として新しい選択肢になることが期待される」としている。機能性表示食品としての届出を念頭に置いた臨床試験だった可能性が高そうだ。
大塚製薬が10月15日に発表した。同社によるとB240は、東京農業大学の岡田早苗名誉教授がタイの伝統的発酵茶ミヤンから単離した乳酸菌。同社大津栄養研究所と熊本県立大学が有効性に関する研究を進め、2005年までに生体防御機能を高める働きなどを確認。その後17年に同社が最終製品化し、『ボディメンテ』シリーズの第一弾製品(ゼリータイプ)として市場投入された。
発表によると、今回の臨床試験は、「スギ花粉曝露によりアレルギー反応を示したことがある健康な男女(20~65歳)34人」を対象に実施。無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行い、被験者はB240含有タブレット、またはプラセボを8週間摂取した。
また被験者は、摂取開始前と摂取4週・8週後に、曝露施設でスギ花粉に3時間曝露。その上で、30分毎に、鼻水▽目のかゆみ▽鼻づまり──などの自覚症状を、日本アレルギー性鼻炎QOL標準調査票に基づき調べたという。
鼻目のアレルギー領域に関する機能性表示食品の届出ルールは、現在、鼻目のアレルギー反応を有していても「試験前及び試験期間中にアレルギー治療薬を摂取していない者」は健常者、同じく「試験前及び試験期間中にアレルギー治療薬を時々摂取している(常用していない)者」は軽症者とする指針(ガイドライン)が示されている。
その上で、鼻目のアレルギー反応に対する有効性を確認するための臨床試験の被験者に、軽症者を含むこともできる。ただし、「被験者におおむね半数以上の健常者が含まれる」ことが条件。