エリクシノール CBD製品 販売一時停止 (2019.11.7)

CBDエリクシールHP修正①

 米国から日本に輸入されたヘンプ(麻)由来CBD(カンナビジオール)オイルを巡るトラブルが発生した模様だ。

 麻由来CBDオイル最終製品の輸入販売で国内最大手といわれるエリクシノール(東京都渋谷区)が10月25日、製品の販売を一旦停止。詳細は不明だが、同社の親会社でオーストラリアを拠点とするエリクシノールグローバルは、大麻草に関する日本の法規定に則していなかった可能性を示唆している。

 「詳しい内容が確定するまで、誠に勝手ながら一時販売を停止させて頂きます」
 『HEMP CBD OIL1000』など麻由来CBDオイル最終製品を輸入販売するエリクシノールは10月25日、ホームページでこう発表し、自社オンラインショップなどで販売している全製品について販売を一旦停止。同社関連会社のヘンプフーズジャパンでも、オンラインショップで扱っていたエリクシノール製品の販売を一時停止した。販売停止状態は11月6日午前現在も継続されている。

 事の発端は、エリクシノールグローバルの内部調査だった模様だ。エリクシノールグローバルは、上場している豪州証券取引所(ASX)を通じて10月23日、日本のエリクシノールが「ノン・コンプライアント」ヘンプ由来CBD製品を販売している可能性のあることが分かったと発表していた。

 発表によると、日本のエリクシノールが販売しているCBD製品に懸かるノン・コンプライアンスの疑いは、麻由来CBDの由来は成熟した麻の茎と種子に限定される日本の「厳格な要求」に関連したものだといい、内部調査で分かったとしている。調査は独立した法律専門家も含む形で現在も進めており、11月中旬までに終了する見通しだという。

 この発表を受けて日本のエリクシノールは製品販売の一時停止を決めたとみられる。しかし、エリクシノールグローバルの発表内容に納得がいかない様子も覗かせている。

 エリクシノールは10月25日の発表で、「日本法人である当社では、米国エリクシノール社より発行される輸入時の提出書類及び、米国第三者機関によるカンナビノイド分析結果書を確認した上で輸入している認識でおります」ともコメントし、コンプライアンス違反を否定する考えを示唆しつつ、販売を一時停止する以外は静観の構え。仮に、エリクシノールグローバルの指摘が事実だとすれば、それは米国法人から提出された書類や分析結果の問題だと言わんばかりだ。

 エリクシノールでは、自社で輸入販売するCBDオイル製品についてホームページで次のように説明している。

 「当社の商品は、日本国の規定を満たしています。さらに、WADA(世界アンチ・ドーピング機関)の禁止成分であるTHCを含まないことをロットごとに検査しており、アスリートの方もご利用いただける安全性の高い製品です。さらに、日本国内の大学薬学研究室においても検査を行い、THCが含まれていないことを確認しています」

 THCとは、テトラヒドロカンナビノールのことで、幻覚作用などを持つとされる大麻の主成分。葉や穂に多く含まれるといわれる。

 エリクシノールグローバルの調査完了が待たれる。CBDオイル製品の輸入を検討していた事業者からも、調査結果を注目する声が上がる。CBDオイルを取り扱わない方針を明らかにする国内受託製造企業などが現れている中で、調査結果はCBDオイルに対する日本の熱を大きく冷ます呼び水となる可能性もありそうだ。

【写真=CBDオイル製品の販売一旦停止を伝えるエリクシノールのホームページ。同社はCBDオイル製品の輸入販売では国内大手とされる】

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