ホップ素材で共同事業 キリンHD、電通(2019.11.7)

キリン新会社社長⑤

 キリンホールディングスと電通は、キリンの独自素材、熟成ホップエキスの健康機能を活用した事業を始める。両社出資の合弁会社において、キリンHDが2000年初頭から研究開発を続け、認知機能改善や体脂肪低減などの健康機能を見出しているホップエキスを、電通が強みとするブランディング力を用いて普及拡大・付加価値向上に向けた取組みを進める。まずは健康食品など食品領域での商品開発を進め、それ以外の商材の展開も検討している。10月31日発表した。

 新会社「INHOP(インホップ)」は先月15日に設立。資本金は900万円。キリンHDが51%、電通が49%出資した。代表取締役CEOには、キリングループで特定保健用食品や機能性表示食品の研究などに携わる研究開発推進部に所属する金子裕司氏(=写真)が就いた。

 キリングループでは、長期経営構想「ビジョン2027」において、「医と食をつなぐ事業」の確立を掲げ、成長ドライバーとするプラズマ乳酸菌で免疫機能を追求する一方で、脳機能分野ではホップ素材を研究、推進する素材のひとつに挙げていた。先月15日からは、熟成ホップ由来苦味酸を機能性関与成分として体脂肪減少をヘルスクレームとするビールテイスト飲料の販売を開始している。

 また同日には、熟成ホップ由来苦味酸の認知機能改善の新たな知見を発表。これまでに、同苦味成分のイソα酸のアルツハイマー病予防に関する作用機序の解明などを報告してきたが、今回の研究成果では、認知機能のひとつである記憶想起力を改善することを臨床試験で確認するなどエビデンスを積み上げている。

【写真=代表取締役CEO 金子裕司氏】

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