「独身の日」 アリババが過去最高額(2019.11.21)
11月11日に中国のインターネット通販各社が大規模セールを一斉に実施する毎年恒例の「独身の日」で、最大手とされるアリババグループの最終的な流通取引総額(GMV)が約4兆1602億円(2684億元)に達し、過去最高額を記録した。このうち越境ECでは、4年連続で日本が国・地域別GMVの第1位を獲得。健康食品・サプリメントにも旺盛な注文が入った。
中国の「独身の日」は2009年にスタート。アリババジャパンによると、今年の「独身の日」で、アリババグループ傘下の越境ECサイト「天猫国際」(T‐モール)でのGMVが高かった日本の商品をカテゴリー別に見ると、トップは「美顔器」。次いで「紙おむつ」。そして第3位に「健康食品」が入った。
4位から10位については、シートマスク▽エッセンス▽乳液▽化粧水▽スキンケアキット▽メイクアップ▽クレンジング・メイク落とし──の順となり、化粧品関係が独占した。
T‐モールでの日本ブランド別GMVを見ても、上位には化粧品関連ブランドが多く入り、「SHISEIDO(資生堂)」(2位)、「ドクターシーラボ」(3位)、「キュレル」(花王のスキンケアブランド、6位)、「ウテナ」(7位)、「SK‐Ⅱ」(10位)といったブランド名が並んだ。第1位は美顔器・化粧品の「ヤーマン」だった。
「ヤーマン」は今回、最終的なGMVが1億元(約15.5億円)を超えたとされる。一方、日本商品カテゴリー別GMV3位の健康食品に直接関連するブランドは10位内には入らなかった。
なお、T‐モールの国・地域別GMVの2位はアメリカだった。米国メディアによると、米中貿易摩擦の影響で中国人消費者が米国製品をボイコットする懸念があったという。結果的にほとんど影響が見られなかった格好だ。アメリカに次いで韓国、オーストラリア、ドイツと続いた。
アリババグループでは毎年11月11日の「独身の日」に「天猫ダブルイレブン」(W11)と称した〝ショッピングフェスティバル〟を開催している。
アリババジャパンによると、今年のW11には20万超のブランドが参加し、このうち299ブランドがGMV1億元、15ブランドが同10億元をそれぞれ達成した。越境ECについては、78国・地域から2万2000以上のブランドが参加したという。
また、今年のW11におけるアリババグループのGMVは前年比26%増加した。開始後およそ1時間で1000億元(約1兆5500億円)を売り上げたという。BBCニュースジャパンの報道によれば、これは前の年より約40分も早いペースだとされている。
米中貿易摩擦の影響で売り上げは鈍化するとの見方もされていたが、中国の消費者の購買意欲はほとんど衰えていない模様だ。ただ、貿易摩擦も多少は影響したのか、アリババグループでは今年、前年に対して伸び率を1~2%低下させたといわれる。
【写真=今年の「独身の日」の結果を背景に挨拶するアリバナグループのタオバオ及び天猫(T‐モール)バイスプレジデント(アリババジャパンのプレスリリースより)】