DgSの健康食品 今後の消費動向注視 増税後売上高が減少(2019.12.12)
8%から10%への消費税率引き上げの影響からか、10月のドラッグストア(DgS)における健康食品の販売額が前年同月比で4.4%の減少となった。通信販売による健康食品も10月は売上高が落ち込んだ。今後の消費動向が注視される。
経済産業省は11月28日に商業動態統計の10月分速報値を発表。DgSの商品販売額合計は、前年同月比0.1%増の5324億円にとどまり、9月の同21.8%増(6265億円)から伸び率が大幅に下がる結果となった。
商品別販売額は、「食品」が前年同月比7.4%増の1619億円と引き続き好調だったものの、「家庭用品・日用消耗品」は1.9%減の807億円、「トイレタリー」は5.8%減の474億円、「ビューティケア」が6.2%減の751億円、「ヘルスケア用品」が2.6%減の333億円──といずれもマイナスに転じた。「OTC医薬品」も4.4%減の705億円と減少。ただ「調剤医薬品」は8.9%増の361億円だった。
「健康食品」についても4.4%減の173億円と9月の17.1%増から一転して落ち込んだ。DgSでの健康食品の販売額は昨年に引き続き今年も堅調に推移。7月のマイナス以外は全て前年同月比プラスの拡大を続けていた中で10月は減少した。
経産省のサービス動態統計室は、DgSの商品別販売額でマイナスが多かった要因について、「台風の影響などいろいろな要因が重なった。消費税増税の反動減かどうかは分からない」としている。ただ、「消費税増税の影響はあったという声も聞いている」とも述べている。
他の小売業種は、3.3%増のコンビニエンスストアを除いて、全て前年同月比マイナスで、小売業全体では、前年同月比7.1%減と少なくともここ3年で最大の減少幅となっている。
通販健食売上高 4.5%の減少に転じる
日本通信販売協会が12月3日公表した2019年10月度の通販売上高調査結果によると、健康食品の売上高は前年同期比4.5%減の124億6800万円だった。前の月の9.7%増からマイナスに転じた。調査対象企業は同協会会員企業138社。10月1日の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動のためか、大半の商品カテゴリーが前年同月を割り込んだ。総売上高は同9.3%減の1088億1400万円と落ち込んだ。
これまで好調だった化粧品も減少した。同8.2%減の132億3500万円となり、前の月と比較では約32億円減少した。前の月は、駆け込み需要が影響したとみられる大幅増(同43.6%増)を見せていた。
前の月に2ケタ増を見せていた家庭用品は同22.6%減の124億2800万円、衣料品は同16.9%減の209億7700万円とそれぞれ大きく落ち込んだ。健康食品を除く食料品も同8.8%減の61億3300万円と減少した。
1社当たりの平均受注件数は、5万6376件(回答101社)だった。前の月との比較で約3300件減少した。