特商法違反 「100円お試し」で処分 (2019.12.26)
健康食品を100円でお試し購入できると勧めていたが、実際にはお試し購入すると定期購入になることを告げずに契約を結んでいたのは特定商取引違反に当たるとして、消費者庁は12月9日、電話勧誘販売事業者の財宝(鹿児島県垂水市)に対し指示処分を行い、同10日発表した。特商法第21条で禁じる商品販売価格などについて故意に事実を告げない行為を行っていたと認定したもの。今回の違反行為の発生原因などを検証し、結果を同庁に報告することなどを同社に指示した。
健康食品や化粧品の購入契約を巡り、「お試し」のつもりが「定期購入」にされていたなどと訴える消費者相談が数年前から全国的に増加している。契約媒体としては、インターネット通販が大半だが、同庁は今回、電話勧誘販売事業者に行政処分を行った。
消費者庁によると、昨年4月以降、同社に関する930件余りに上る相談や問い合わせが、全国の消費生活センターに寄せられていたという。
同庁の発表によれば、同社は黒酢やグルコサミンの健康食品を電話勧誘販売するに当たり、少なくとも今年1月以降、「1つ100円でお得ですので試してみませんか」などと語りながら勧誘販売。だが、100円お試し購入を契約すると定期購入に承諾したとみなすことや、購入2回目以降の販売価格などについて説明していなかったにもかかわらず、お試し購入で契約した消費者に届いた商品には、「定期購入のお申込みを賜り、誠にありがとうございました」と記載された書類が同封されていたという。