EPSとTTC CRO事業で資本提携 (2019.12.26)
医薬品CRO大手のEPSホールディングス(以下EPS)と食品CRO大手のTTCが、このほど資本・業務提携を結んだ。提携によりEPSはTTCが持つ食品・製薬関連のネットワークを活用した新規顧客の開拓。TTCはEPSが持つ事業インフラ、ネットワークを生かした食品CRO事業の拡大を目指す方針だ。
両社が12月5日に発表した。両社によると、資本・業務提携はすでに10月に行われており、EPSがTTCの株の一部を取得したという。取得後もTTCのコーポレートガバナンスに変更はない。
EPSは医薬品・医療機器のCRO、SMO、CSO(医薬品販売業務受託)事業などを展開する国内大手。2019年9月期の決算は売上高690億円(連結)で、グループ全体で約6220名の人員を擁し、関係する医療支援施設は全国に6100施設、治験コーディネーター(CRC)は1100名に達するという。
TTCはこれらEPSのインフラやネットワークを活用して、多施設同時利用による大規模臨床試験や試験期間の短縮化、より高い精度での臨床試験、食品分野における臨床研究法への対応などに取り組んでいく方針だ。
一方、EPSはTTCが持つ食品業界、製薬業界のネットワークを生かして、新規顧客の開拓を進めたい考え。特に、これまで新薬開発以外にあまり手掛けてこなかったOTC医薬品などで取り組みを強化したい考えだ。
ただ、両社ともEPSはあくまで医薬品・医療機器、TTCも同様に食品分野のCROを中心に事業を展開するという基本姿勢は変わらないとしており、今回の資本・業務提携は、そうした基本姿勢を踏まえつつ、両社で協力できる業務を検討しシナジー効果を追求していくとしている。