消費者教育の必要性など話題に 消費者庁ほか健食でリスコミ(2014.2.20)
健康食品の実態や行政の取組などについて、消費者へ情報提供することを目的にした、消費者庁と厚生労働省主催のリスクコミュニケーションが18日、都内で開催され、消費者や健康食品に関係する事業者など約250名が集まった。現在、消費者庁を中心に機能性表示制度が検討されていることもあり、同制度の話題も登場。会場からも制度に対する質問や意見が挙がった。
基調講演を行った国立健康・栄養研究所情報センター長の梅垣敬三氏は、健康食品を全て悪い・良いと両極端に判断はできず、適切に利用すれば役立つものもあるとの認識を示す一方、現状は特定保健用食品(トクホ)を含めて適切な利用がされていないと指摘。その原因として、食品だから安全との認識や、医薬品的な効能効果に期待するといった、消費者の健康食品に対する認識不足を挙げた。
同氏はまた、消費者委員会のアンケート結果で機能性表示を求める意見が6割に達したことを踏まえた上で「効果があるということは有害事象が起こりやすいということ。それを消費者が理解しないうちに(機能性)表示をするのは個人的には問題、今は早い」と語り、消費者が適切に健康食品を利用できる環境整備や消費者教育が先との認識を示した。同氏は機能性表示の検討会委員も務めており、検討会でも消費者教育の必要性について度々発言している。
パネルディスカッションは梅垣氏のほか、主婦連合会の山根香織氏、健康食品産業協議会の関口洋一氏、国民生活センターの福山哲氏、厚生労働省新開発食品保健対策室の西山佳也氏、消費者庁食品表示企画課の松原芳幸氏が登壇。品質管理のGMP(適正製造規範)の必要性、消費者に健康食品に関する情報を伝えるアドバイザリースタッフの活用など、主に安全性確保を中心に意見が交わされた。
また、特定成分を濃縮させた製品が多く、過剰摂取の危険がある錠剤、カプセルは通常の食品とは切り離して安全性を確保すべきとの意見があったほか、濃縮物については、有害物質の除去などの規格化が必要との意見もあった。
【写真は都内で開催されたリスクコミュニケーションの様子】