1月のDgSインバウンド消費 購買金額 15カ月ぶり増加 (2020.3.12)


 データマーケティングのトゥルーデータ(東京都港区)が2月28日発表したPOSデータに基づく今年1月のドラッグストアインバウンド消費調査結果によると、1店舗あたりインバウンド消費購買金額の前年同月比は3.4%のプラスとなり、18年10月以来15カ月ぶりに増加に転じた。

 とはいえ、1店舗あたり2000万円以上の購買金額を記録していた18年3~5月と比べると低水準。19年8月以降は1500万円を割り込む状況が続いている。

 同社の発表によると購買金額が久しぶりに増加に転じた背景には、中国の春節が重なったことと、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でマスクを購入する訪日外国人がDgSに多く訪れたことがあるとみられる。実際、1月の商品別売上個数ランキングを見ると、上位30商品のうち12商品をマスクが独占したという。

 1月は1店舗あたり購買件数も前年同月から大きく増加し、11.1%のプラスを示した。ただ、購買単価(1レシートあたり購買金額)については同6.9%減とマイナスが続く結果だった。

 同社は今回の発表で、併せて今年の春節期間(1月24~30日)におけるDgSインバウンド消費動向についても発表。それによれば、前年の春節(2月4~10日)との比較で1店舗あたり購買金額は23.6%増、購買件数については59.1%増と大幅な伸長を見せた。マスクの売上が大きく伸びたのが要因で、前年の春節と比べて「23倍」を記録したという。3月8日現在、DgS店頭は深刻なマスク不足が続いている。

 一方、2月以降はインバウンド消費の急速な落ち込みが懸念される。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため中国政府は1月末、海外団体旅行を禁じる通知を発出。このため、中国からの来日観光客は例年と比べて大幅に減少しているとみられ、インバウンド消費に与える打撃は必至と言えそうだ。

 なお、日本政府観光局の調べによると、1月の訪日外国人数(推計値)は前年同月比1.1%減の268万1000人で、4カ月連続で前年同月を下回った。ただ、今年は春節が1月だった影響で、韓国を除くアジアからの訪日客数が増加。中国については前年同月と比べて2割超増加し、92万4800人が日本に訪れたという。

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