特定臨床、乳酸菌飲料で 臨研法、対応試験が増加傾向(2020.3.26)
食品CROのオルトメディコ(東京都文京区)は3月17日、愛知県のあいち小児保健医療総合センター、乳製品など製造販売のノーベルと(岐阜県羽島郡)と3者で、EPA・DHA配合乳酸菌飲料を用いた臨床研究法に基づく特定臨床研究を開始した。
この研究は、3歳以上10歳未満の男女で食物アレルギー症状(牛乳アレルギーは除外)を持つ10名程度を被験者とするもので、ノーベルのEPA・DHAを配合した乳酸菌飲料を1日1回、週5日以上、3カ月間摂取してもらう。これにより、EPA・DHAの摂取によって血漿中脂肪酸組成を変化され、即自的食物アレルギー反応を軽減する効果が示されるか検証するという。
臨床研究法は昨年4月に施行。医薬品や医療機器、再生医療などの臨床研究のあり方を規定したもので、未承認だったり、製薬企業等から資金提供を受けたりした医薬品や医療機器等の臨床研究を行う場合は、同法で規定する「特定臨床研究」として、厚生労働大臣の認可と「臨床研究実施計画・研究概要公開システム」(jRCT)への登録が義務付けられている。
食品についても、病者や疾患を対象とした臨床試験を行う場合、食品としての機能性を検証するための臨床試験だとしても、特定臨床研究に該当する可能性がある。また、機能性食品の場合、特定臨床研究に該当するのか、しないのか線引きを明確にするのが難しい臨床試験もある。そうした場合について、特定臨床研究としての登録を選択するケースが増えつつあるもようだ。
jRCTに登録されている機能性食品に関する臨床研究実施計画の正確な件数は分からないが、本紙が3月21日に「食品」をキーワードに検索したところ、50件がヒットした。登録公表日を見ると昨年後半からのものが半数以上を占めている。
このうち複数件は、食品機能とは直接関係しない研究や、未承認医薬品そのものに関する研究だとみられるが、例えば以下の研究が登録されていた。
スギ花粉症に対するジャバラパウダーの効果▽ロイコサッカライドが健常者の糖代謝と腸内環境へ与える影響▽サプリメント摂取による酸化ストレスへの影響▽ブラジル産プロポリス摂取の関節リウマチ疾患への影響▽軽症アルツハイマー型認知症患者に対する熟成ホップエキス及びホエイペプチドの研究▽非アルコール性脂肪性疾患に対する青梅加熱濃縮エキス▽乳酸菌発酵果汁飲料を用いた牛乳アレルギーに対する有効性▽夜間頻尿患者に対するノビレチン・タンゲレチン混合物の効果──。