ロート製薬 わかもと製薬と業務提携 (2020.5.14)


 ロート製薬(大阪府大阪市)とわかもと製薬(東京都中央区)が、包括的業務提携を結ぶことになった。両社の強みを生かしながら「開発から販売まで」におよぶ広範な分野での提携を目指す。わかもとが保有する乳酸菌を活用したOTC医薬品、健康食品の共同開発・販売などを主な提携分野としていく考えだ。

 両社は先月28日、包括的業務提携に合意した上でそれぞれ発表した。主な業務提携分野の候補としては、乳酸菌関連のほかに、医療用眼科医薬品の共同開発及び販売も掲げており、当面はアイケアと乳酸菌関連を主軸に協業していく方針だ。同時に、それら以外の分野でも協業のチャンスを窺がう。

 ロートは、わかもとの発行済み株式の約3%を所有する大株主の1つで、2019年3月期の連結売上高は1835億8000万円。一方、わかもとの売上高は、107億3900万円(19年3月期)。

 両社とも「ヘルスケア」をなりわいとするとともに、アイケア領域を事業の柱の一つとすることから、業務提携のメリットが大きいと判断したとみられる。ロートは目薬を中心とするアイケア製品に関してOTC医薬品市場でシェアを持つ。また、主力のスキンケア事業に関連する再生医療事業においても、アイケア分野での研究開発も進めている。

 他方、わかもとは、胃腸薬「強力わかもと」を主力製品とするヘルスケア事業とともに医療用医薬品事業を展開。同事業では眼科領域に特化した製品開発・販売に取り組んでいることで知られる。

 ロートとしては、わかもとが保有する独自乳酸菌も魅力に映ったのかもしれない。わかもとはもともと、乳酸菌を中心としたヘルスケア製品の研究開発を長年にわたり推進。同社の独自菌株「WB2000」は、強力わかもとに配合されているほか、薬用歯みがきなど同乳酸菌を活用したヘルスケア製品を開発してきた。近年では、オーラルケア機能が示唆される乳酸菌を見出し、サプリメントを開発。主に通信販売で展開している。

 ロートにとって、眼科領域を医療用医薬事業の主力とするわかもとを業務提携することは主力のアイケア領域を強化できるとともに、胃腸薬や機能性表示食品などを取り扱う内服関連事業に、新たに乳酸菌関連製品を取り込めることになる。

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