GABA 認知機能市場に新規参入 (2020.5.14)
GABA(γ‐アミノ酪酸)で新たなヘルスクレームを行えることになりそうだ。機能性表示食品で採用件数の多い原材料「ファーマギャバ」を販売するファーマフーズ(京都市西京区)は5月11日、同素材を使った健常者120名対象の臨床試験の結果、認知機能の維持・改善が見られたと発表した。今後、同素材を使った認知機能を巡る機能性表示食品の「届出が可能」になるとしている。今回の臨床試験は三菱商事ライフサイエンス(東京都千代田区)と共同実施した。
機能性表示食品の機能性関与成分としてのファーマギャバは、サプリメントから一般食品まで幅広く採用されている。現在可能なヘルスクレームは、ストレス緩和▽疲労感の軽減▽血圧の改善▽睡眠の質の改善──の4つ。そこに認知機能の維持・改善が今後追加されることになる。準備を終え次第、同機能についても届出サポートを手掛けていく計画だ。
ファーマフーズは、国内のサプリメントを中心とする認知機能サポート市場は20年予測で168億円に「とどまる」一方で、米国では「数年にわたり2ケタの成長率」を見せていると指摘。今後、同市場でのファーマギャバの採用増加を図り、以前から取引のある三菱商事ライフサイエンスとともに、認知機能マーケットを拡大していきたい考えを示している。
発表によると、今回の臨床試験は、認知機能に衰えを感じる40歳以上の健常者120名を対象に3カ月間実施。その結果、GABAを1日あたり100㍉㌘、または200㍉㌘摂取した群は、プラセボ群と比べて認知機能が有意に維持・改善した。特に、200㍉㌘摂取群では、記憶力▽空間認知力▽論理的思考力▽作業記憶力▽持続的注意力に加え、「活力」「心の健康」の改善が確認されたという。
試験結果は2つの論文として3月発刊の「薬理と治療」に掲載された。特許出願も行ったという。