消費者庁 ビタミンD、摂取状況調査へ (2020.5.28)
食品表示基準で規定されている栄養素等表示基準値のうち、ビタミンDの基準値の変更可否を検討するための調査事業を消費者庁が今年度に実施する。ビタミンDの強調表示が行われている一般食品や同成分を含む栄養機能食品の摂取状況を調べ、基準値変更の可否を検討するための基礎資料を得るという。調査委託先には、来年3月12日までに報告書を提出してもらう。
栄養素等表示基準値は厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準」に基づき設定されている。その2020年版が昨年公表されたのを踏まえ、同庁は栄養素等表示基準値の改定に関する調査事業を令和元年度に実施。今年4月に公表された同調査の報告書はビタミンDについて、摂取状況を把握した上で基準改定の可否を検討する必要があると指摘していた。これに対応するため、ビタミンDの摂取状況を把握する調査を今年度実施することになったという。
日本人の食事摂取基準2020年版でビタミンDの18歳以上目安量は、従来の1日あたり5.5マイクロ㌘から8.5マイクロ㌘に引き上げられた。それに伴いビタミンDの栄養素等表示基準値も本来であれば上回ることになる。ただ、識者が同基準改定を検討する中で、基準を引き上げた場合の18歳未満の過剰摂取リスクを懸念する意見が上がった。そのため、特に18歳未満のビタミンD摂取状況を把握した上で、基準の改定可否を検討する必要があるとされていた。