遂に〝排尿〟驚きの声 「機能性」届出キナ酸を関与成分に(2020.6.11)
消費者庁が6月8日に行った機能性表示食品の届出情報更新で、ヘルスクレームに「排尿」を含む届出が初めて公開され、業界関係者から驚きの声が上がった。機能性関与成分とされたのはキナ酸。「トイレが近いと感じている女性の日常生活における排尿に行くわずらわしさをやわらげる機能があると報告されています」との機能性表示が届出された。
公開された届出資料によると、機能性関与成分は果実のクランベリーに含まれるキナ酸。届出製品はクランベリージュース。届出者は、食品や雑貨類の輸入販売を手掛けるマルカイコーポレーション(大阪市西区)。
クランベリーは、女性の尿路感染症(UTI)の再発防止機能があるともいわれ、キナ酸はその有効成分と考察されてもいる。
今回の届出は、機能性の科学的根拠をキナ酸の研究レビューで検証。最終的に採択した文献は1報で、86名の頻尿に悩まされている成人女性を被験者にプラセボ対照二重盲検臨床試験を行ったもの。研究レビューは、日本抗加齢協会の専門知識を持つ医師ら6名によって実施されたという。
今回の届出は、排尿領域の機能性表示食品の届出に向けた扉を大きく開くものとなるのか。排尿機能に関する有効性が報告されている機能性食品素材はノコギリヤシエキスを筆頭にいくつかあり、配合サプリメントは中高年以上の男性を中心に需要がある。今後の届出動向を注視したい。