秋田銘醸 機能性食品素材 増産へ (2020.6.25)
日本酒『美酒爛漫』で知られる秋田銘醸(秋田県湯沢市)が健康食品向け素材の製造を本格化させる。生産施設や設備を新たに設けて、米ぬかを原料にしたGABA粉末や酒粕粉末などを増産する計画。それに加え、機能性表示食品対応素材としても展開できるようにする。生産体制拡充と機能性表示制度対応の双方をテコに、原材料供給先を広げていきたい考えだ。食品産業活性化モデル育成事業を通じて秋田県も支援する。
同社は、総額2億5000万円を投じて健康食品素材専用の生産施設と設備を設ける。湯沢市の本社酒造工場の一部改修を年内に終える予定。事業費のうち2500万円は県と国が補助する。秋田銀行も融資する。
新たな生産施設で増産するのは、同社や県内酒蔵から調達する米ぬかを原料にしたGABA粉末(GABA含有米ぬか発酵粉末)、県内酒蔵の酒粕を原料にした酒粕粉末、県内枝豆農家から調達する規格外枝豆を原料にした枝豆粉末(植物由来プロテイン)の3素材。GABA粉末については、現在の年間生産量6㌧を18㌧まで引き上げる。供給先を県内外に広げ、4年後までに3素材合計約1億5000万円の販売を目指したい考え。雇用も3人増やす計画だ。
機能性表示食品制度への対応は、まずはGABA粉末で進める方針。GABAの研究レビューを外部に委託し、年末までの届出を目指す。現在までにGABAで可能なヘルスクレームの全てに対応できるようにすることも検討している。
酒粕粉末についても機能性表示食品対応素材化を視野に入れているようだ。秋田大学と共同研究で免疫調整機能を確認しているといい、さらに研究を進めることで、免疫領域の機能性食品素材として需要開拓を進めたい考えを示している。