新たな生活様式と身体不調 高齢者、5割超が「運動不足」(2020.7.23)


 緊急事態宣言解除後に感じている身体不調のトップ3は膝の痛み、腰痛、目の疲れ──65歳以上男女1000人を対象にしたインターネット調査でこんな結果がまとまった。緊急事態宣言解除後、身体に不調を感じている人は全体の3割を超えるとともに、運動不足を実感している人は5割超に上った。

 調査を実施したのは、健康機器や健康増進サービスなどを手掛けるオムロンヘルスケア(京都府向日市)。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国で解除された1カ月後の生活と体調の変化を、関東在住の65歳以上男女計1064人に尋ねた。調査は6月25日~7月5日に実施した。

 同社が今月13日に公表した調査結果によると、運動量の変化を尋ねる設問では、「減少した」と回答した人は53.8%と過半数に上り、「変わらない」は35.9%だった。減少した運動時間としては、一日平均で30分~1時間が最多。逆に、全体の6%とわずかだったものの、「増加した」の回答も見られた。

 身体に不調を感じているかを尋ねる設問(複数回答)では、34.5%が不調を感じると回答した。不調の内容については、「膝の痛み」が72.5%でトップだった。次いで、「腰痛」50.7%、「目の疲れ」45.5%、「肩こり」37.3%、「不眠・睡眠不足」34.6%、「姿勢が悪くなった」34.6%、「むくみ・冷え」18.8%──と続いた。

 また、新型コロナ感染拡大前と同じ状況に戻った行動を尋ねたところ、「とくになし」が最多となり、約4割に上った。日常的な買い物や通院でさえ、新型コロナ以前に戻ったと回答した人は2割台にとどまった。

 調査結果について、京都大学大学院の青山朋樹教授(医学研究科)は、「外出自粛で運動しなくなったことで膝の痛みが増加している」とコメントしているという。

 新型コロナ下で求められるようになった新たな生活様式は、膝の痛みをはじめとする身体不調を高齢者に強いるのかもしれない。



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