味覚糖の新サプリ オートファジーを冠す(2020.9.10)

オートファジーとサプリ①

【写真=味覚糖が新発売したサプリメント。ポリアミン含有米胚芽エキス、トランスレスベラトロールなどを配合した】

 オートファジー習慣──そんな商品名のサプリメントをUHA味覚糖(大阪市中央区)がECで販売中だ。オートファジーといえば、日本人研究者がノーベル賞を受賞したことで知られる恒常性維持に関わる生体の仕組み。思い切った商品名に業界関係者からは驚きの声も上がる。

 オートファジー習慣を味覚糖が発売したのは2020年7月28日。その日に同社が配信したプレスリリースによると、同品は「オートファジー研究に着目」して開発したもの。

 同社単独で開発したわけではなく、共同開発先がある。
 AutoPhagyGo(大阪府吹田市/以下、APGO)というベンチャー企業だ。

 オートファジーの名を掲げた同社のホームページによると、同社は大阪大学発のベンチャー企業。オートファジー研究の成果を通じて、健康長寿に貢献することを目的に設立したといい、オートファジーの低下を防ぐ薬剤の開発なども目指しているとする。

 このサプリメント、商品名に負けず劣らず配合素材も興味深い。
 まず、ポリアミン含有米胚芽エキス末。また、「トランス」レスベラトール、そしてアスタキサンチンの3素材。オートファジー活性機能に着目して選定した。

 味覚糖のリリースによると、ポリアミン含有米胚芽エキス末は、「オートファジーを活性化することが良く知られ」ているとのこと。トランスレスベラトロールとアスタキサンチンについては、「APGOとの共同研究により細胞でのオートファジー活性を確認した」としている。

 そもそもオートファジーとは何なのか。
 オートファジーは、「自食作用」とも呼ばれる、細胞内のタンパク質を細胞自身が分解するシステムの一つ。2016年のノーベル生理学・医学賞が、そのメカニズム研究への功績で大隈良典・東京工業大学教授に贈られたことで、一般にもその名が伝えられることになった。

 APGOのホームページによると、同社技術顧問を務める細胞生物学者の吉森保・大阪大学教授は、大隈教授とともにオートファジー研究に取り組んだ人物。また、オートファジーについて次のように解説している。

 「細胞の新陳代謝と有害物質の除去の2つの作用を通して細胞の健康を守っています」「歳を取るとオートファジーの働きが鈍ってくる」――オートファジーの機能低下と様ざまな疾患が関連している可能性があると言う。

 オートファジーを活性化するサプリメント。それがオートファジー習慣の主要な開発コンセプト。その上で、「カラダ本来の負けない力を1日2粒で維持するサプリメント」──味覚糖は同品についてこのようにアピールしている。

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