日本アムウェイ 一般に「門戸開く」 (2020.12.10)
国内MLM大手の日本アムウェイ(東京都渋谷区)が一般消費者向けのビジネス展開を新たに始めた。12月2日に一般消費者向けの通信販売サイトを開設。代表ブランドのニュートリライトのサプリメントはじめ、化粧品、洗剤、浄水器など、国内で会員向けに販売展開している200アイテムの大半をラインナップする。同社が会員以外の一般消費者向けに商品を販売するのは初めて。会員向けのMLMは従来通り進めつつ、「(一般消費者にも)門戸を開いて、今後の事業拡大を図る」(広報グループ)としている。
同社は今年6月に総合オンラインサイトのアマゾンでニュートリライト商品の販売を開始。ただ、会員から製品紹介リンクを受け取る必要があるなど、一般消費者が無条件に購入できるシステムにしていなかった。
一方で、今回開設した製品購入機能に特化したウェブサイト「アムウェイ ショッピング サイト」は、商品購入の条件を特に設けていない。アマゾン経由の割引はないものの、一般消費者も気軽に同社製品を購入できるよう、商品説明や製品レビューなどをわかりやすく表示したサイトに仕立てた。
同社が今年4月に発表した2019年の業績は売上高957億円で、2期連続の減収。栄養補給食品やパーソナルケアなどすべての製品カテゴリーが前年割れ。17年には8期ぶりに売上高1000億円の大台に復調していたが、ここ数年は業績が下降傾向に推移。19年度の会員数は明らかにしていないが、その前年の18年度では会員とショッピングメンバーともに減少するなど、会員数の減少傾向が業績に響いた可能性も関係しそうだ。
同社は先月に東京・八王子の物流拠点を刷新した。約17億円を投じて、商品の出荷に関わるラインすべてを切り替え、ここ数年増えてきた小口注文などにも迅速に配送できる流通体制に整備している。物流拠点の刷新は、一般消費者向け通販解禁の布石だった可能性もありそうだ。
【写真=上:今月2日に新たに開設した通販サイト。下:11月にリニューアルした物流拠点の八王子流通センター】