アサヒG食品 アサヒカルピスを吸収 (2020.12.10)
アサヒグループ食品が100%子会社のアサヒカルピスウェルネスを吸収合併する。来年1月1日付で、アサヒカルピスウェルネスを消滅会社とする形で合併。食品事業を再編してヘルスケア(健康)食品領域をより強化する狙いだ。アサヒグループ食品を傘下に置くアサヒグループホールディングスが11月27日に発表した。
アサヒグループは食品事業を、酒類、飲料などと並ぶ主要事業としている。その中で、アサヒグループ食品とアサヒカルピス社はともに、健康食品・サプリメントを手掛けており、アサヒカルピス社は、通信販売事業や乳酸菌などの素材事業に強みがある。同社をアサヒグループ食品に統合することで、ヘルスケア食品領域におけるアサヒグループの存在感をさらに高める狙い。
合併により、人的資源や知的財産、資金等の経営資源をアサヒグループ食品に集中させ、業務の効率化や生産性の向上を図る。これにより、グループ内シナジーを最大化できる体制を構築し、国内食品事業の基盤を強化するとともに競争力を高める。具体的には、アサヒグループ食品の販路を活用し、グループとして保有する「L‐92」などの乳酸菌や枯草菌、乳由来成分などの独自機能性食品素材を使用した商品や素材の販売などを展開していく方向だ。
アサヒグループHDは、今年2月にも食品事業の再編を発表していた。この時は、2012年に買収したカルピスの流れを汲むアサヒカルピス社の健康食品・サプリメント通販および素材事業をアサヒグループ食品に移管し、飼料事業のみとなったアサヒカルピス社はアサヒバイオサイクルに社名を変更。その上で両事業は、アサヒグループ食品の100%子会社として新たに立ち上げたアサヒカルピスウェルネスが担う形に再編していた。
アサヒグループHDが先月5日発表した2020年第3四半期決算によると、グループの食品事業の売上収益は前年同期比4.8%減の899億円、事業利益は同14.2%減の85億円で減収減益。ただ、2019年は通期で増収増益だった。