「舌苔を減らす」に驚き 口腔ケアで初の届出表示(2020.12.24)
舌苔(ぜったい)を減らすのに役立つ──このような機能を訴求する機能性表示食品の届出が公開されたことに業界関係者から驚きの声が上がっている。
舌苔とは、舌の表面に付着する白い苔のような汚れ。食べかすなどが原因となる。それを減らすことと、健康維持・増進の関係について、届出者は以下のように届出資料中で説明している。
舌苔は、口腔内の細菌汚染の供給源とも考えられており、また、口腔病原菌は血管性疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎などの誘因になると考えられていることから、舌苔量を減らすことは、「口腔内を健やかに保つ働きを助け、健康維持・増進につながると考えられる」──。
届出者は、総医研ホールディングス傘下でラクトフェリンの原材料販売などを手掛けるNRLファーマ(神奈川県川崎市)。腸溶性加工を施したラクトフェリンを機能関与成分として届け出た。届出表示は以下の通り。「本品には腸溶加工したラクトフェリンが含まれるので、舌苔を減らすのに役立ちます」
保健機能食品全体で初のヘルスクレームとなる。腸溶性ではないラクトフェリンをプラセボとし、腸溶性ラクトフェリンの口腔環境改善機能を検証した最終製品の臨床試験を届出表示の科学的根拠として届け出た。
オーラル(口腔)ケアを訴求する機能性表示食品の届出表示は、ここにきて訴求範囲が大きく広がっている。「舌苔を減らす」の他にも、「歯の表面を改善してむし歯の原因となる酸に溶けにくい状態にすることで歯を丈夫で健康にする」といった虫歯予防的な機能や、「唾液量を維持する機能があることが報告されています」といった口腔内のうるおいを訴求する届出表示が今年に入り公開された。
他にも、「健康な歯ぐきを維持する機能があります。歯周組織の健康が気になる健常な方に適しています」などといった歯周病予防的な働きを訴求する届出表示がこれまでに公開されている。機能性表示食品の数ある訴求機能の中でもオーラルケア領域は、先鋭性で一歩先を進んでいると言えそうだ。