血管ケア機能、初の届出 「柔軟性の維持に役立つ」(2021.1.14)
加齢とともに低下する血管の柔軟性維持に役立つ──このような機能を訴求する機能性表示食品の届出が昨年12月21日に公開された。特定保健用食品等も含めた保健機能食品全体で初の健康維持・増進表示となる。サプリメント・健康食品受託製造大手の東洋新薬(本部・佐賀県鳥栖市)が届け出た。
機能性関与成分として届け出たのは、同社の独自素材「フラバンジェノール」(松樹皮抽出物)に含まれるプロシアニジンB1及びB3。届出表示は「本品には、プロシアニジンB1及びB3が含まれるので、加齢とともに低下する血管の柔軟性(血管を締め付けた後の血管の拡張度)維持に役立つ機能があります」とした。
科学的根拠は最終商品を用いたヒト試験。血管の柔軟性を評価する指標としてFMD(血流依存性血管拡張反応)値を採用した。
FMD値は、日本循環器学会らが策定した血管機能の評価法に関するガイドラインや、日本動脈硬化学会が策定した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」に血管内皮機能の評価方法として記載されている。そのため、学術的なコンセンサスが得られた評価指標と考えられる。
保健機能食品全体において、血管ケア機能を訴求する食品は初となる。機能性表示食品では、これまでも、抹消血管に対する働きを作用メカニズムとし、高めの血圧を下げる働きを訴求する食品が届け出されていたが、血管そのものに対する機能を訴求する届出は前例がない。その上、血管の柔軟性維持は、全身の健康維持増進に関わるという点で、「免疫機能の維持」と双璧をなす画期的な機能性表示食品といえそうだ。
一方、フラバンジェノールに含まれるプロシアニジンB1、あるいは、プロシアニジンB1及びB3を機能性関与成分とする届出自体は既存のもの。東洋新薬が受託製造や届出サポートを手がける形で現時点で20商品余りが届け出されており、いずれも訴求機能は「悪玉(LDL)コレステロールを下げる」。
血中のLDL(悪玉)コレステロールが増加すると、酸化LDLコレステロールが増え、その結果、血管の弾力性や柔軟性を低下させることが知られる。フラバンジェノールを巡る新たな届出は、既存届出の機能性に関するエビデンスを発展させた格好だ。
【写真=届け出たのは東洋新薬(画像は消費者庁の届出DBより】