訪販売上高が2期連続減 19年度推計値 増税とコロナが影響(2021.1.14)


 訪問販売市場が厳しさを増しているようだ。日本訪問販売協会が昨年12月25日に発表した、2019年度(19年4月~20年3月)の訪問販売業界の売上高推計値(小売ベース)によると、対前年比3.39%減の1兆6455億円で2期連続のマイナスになった。18年の1.18%減からマイナス幅が広がった。19年10月の消費増税引き上げによる落ち込みに加え、20年前半のコロナ禍の自粛が響いたとしている。

 同調査は、協会正会員企業116社の訪販売上高を基にした訪販業界売上高の推計値。協会では1979年から訪販売上高を集計。96年には3.3兆円に業界規模は拡大したが、そのピーク時から売上高は半減したことになる。

 調査の対象商材は、化粧品や健康食品、下着などで、新聞や医薬品、ガス、電気、自動車、百貨店外商、インターネット接続回線などは除いている。商材別の売上高では、1位が化粧品類(3487億円)、2位が健康食品(2312億円)で、清掃用品、建物清掃が続いた。上位の化粧品類、健康食品の売上高はともに前年を下回った。

 協会員が訪販以外に導入している取引形態は、連鎖販売取引が47社、通販販売は41社、特定継続的役務提供(エステサロンなどのサービス)が22社、電話勧誘販売5社、訪問購入が2社だった(複数回答)。訪販のみに特化している企業は40社だった。

Clip to Evernote

ページトップ