日本企業、どう立ち向かう? (2021.1.14)
日本製品への期待が薄れる可能性もある
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国の消費者は日本で爆買いをする機会を失った。日本企業は越境ECなどを通じて商品を提供しているが、その量は多いとは言えない。そのため、今のところ、中国の消費者は日本製品が手に入らないため国産品を購入するしかない。一方、中国の生産技術は大幅に向上している上、価格面でも日本の3分の1以下と手に取りやすい。こうした事情により、長期的には、中国の消費者の日本製品に対する期待感が薄れ、消費が国産品に流れていく可能性もある。
日本企業は技術など流出防止に努める必要
中国国内で製造された商品の一部に、日本語の「の」の文字を商品パッケージに加えるなどして日本製品の彩りを加え、消費者に日本製品だと誤認させるものがある。また、日本の技術を学ぼうとしている中国の製造企業は多く、それを製品の製造面において運用しようとしている。日本企業は特許技術および成分配合に対する模倣対策にしっかりと取り組むべきだ。
競争力を高める必要
高価格な日本製品の時代は既に幕を閉じたといえる。日本は原料大国ではないため、各種製品の原料の大部分を海外からの輸入に依存している上、人件費も高い。このため製品の価格を下げることができず、国際競争力に欠ける。一方で中国は多数の原料を握っており、国内の人件費も相対的に日本より低い。そのため、コストを削減し低価格を実現できる。日本製品の今後の競争力は合理的な価格の原料をどのように得て、高品質、低価格の製品を作るかにかかっているだろう。
日本製好感の東南アジア
各国製造業の中国からの撤退が相次ぎ、東南アジアに生産を移管している。多くの日本企業も東南アジアへ進出している。日本は近年、東南アジアからの留学生や労働者の受け入れを進めていることもあり、現地には日本の文化を受け入れ、日本の食生活に慣れている人が増えている。さらに、日本は世界有数の長寿国。日本の健康食品は東南アジアの消費者に受け入れられている。ちなみに、東南アジアでは、パッケージに日本語または韓国語が記載された製品が特に人気が高い一方、漢字が記載された中国製や台湾製の製品は購入しない傾向にある。