NMN、躍進の予感 21年期待素材のトップに (2021.1.28)


 NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)に対するサプリメント・健康食品受託製造(OEM)業界の期待が高まっている。健康産業流通新聞がOEM企業を対象に今月行ったアンケートで、「2021年に期待する素材」の1位に着けた。「2020年に受注の多かった素材」トップの乳酸菌を上回った。

 今回のアンケートでNMNは、「20年に受注の多かった素材」でも上位に入った。「新規の問い合わせが増加している」、「国内外(特に中国向け)で引き合いが多く、(製造受委託契約が)即成立の案件が見られた」などといった声が寄せられており、昨年の活発な動きが今年の期待につながっていることが窺われる。

 NMNの原材料価格相場は、今からおよそ1年前、中国産でもキロ当たり80万円前後だったとみられる。だが、中国現地での製造者や、国内サプライヤーが増加するにつれて価格が低下。現在では、少なくとも当時の半分以下の価格が相場になっているようだ。最終製品の製造経験のある受託製造企業は「3カ月前に言われていた価格はもう古い。以前に比べてかなり安価になった」と話す。NMNの動きが活発化している要因に、原材料価格の下落が効いているとする見方もある。

 ただ、価格とは裏腹に高まっていることがある。品質に対する懸念だ。「(企業としてではなく)個人で売り込んでいるような動きもあるようだ。圧倒的に安い値段で提案している。品質はどうなのか」と話すのは別の受託製造企業。さらに別の企業も、「品質を考えると、安すぎるものはちょっと使えない」と語る。

 一方、以前に比べて価格が下がったとはいえ、1日あたり配合量が少なくないこともあり、NMN配合最終製品の販売価格は一般的に「数万円」の超高価格帯に設定されている。そのため、今、NMNを求めている消費者層は、いわゆる富裕者層にほぼ限定されているとみられ、販売方法としても、消費者に対する一定の説明が必要だと考えられている。

 今回のアンケートでは、今後の〝ブーム化〟に期待を寄せる声も上がった。一方で、「現状のままだと落ちていくのも早いかもしれない。今後2~3年にわたり今と同じサイクルでの受注が続くかどうか。できれば富層だけの流行りに終わってもらいたくない」として、購入者が富裕者層にとどまれば、需要の陰りは早いと指摘する声も上がっている。

Clip to Evernote

ページトップ