伸長続く「機能性」市場 20年度見込み 約12%増2843億円(2021.1.28)


 国内健康食品市場規模のうち、機能性表示食品のメーカー出荷金額ベース市場規模について、2020年度は2843億円4000万円が見込まれるとする調査結果を矢野経済研究所がまとめ、1月22日公表した。前年度比の見込みは11.8%の増加。前年度に引き続き2ケタ増を維持する形となりそうだ。

 同社の調べで19年度の機能性表示食品市場規模は、前年度比13.5%の2542億8000万円(メーカー出荷金額ベース、以下同)。20年度も2ケタ増ながら伸び率はやや低下が見込まれることになる。同社では、ライフサイクルの短い傾向がある一般食品は「受理件数に比べて市場規模の伸びが緩やか」だと分析。機能性表示食品市場を強くけん引しているのは、一般食品と比べて届出件数も多いサプリメントとみられる。

 同社では、機能性表示食品市場の拡大背景について、企業の「積極的な届出と受理件数の増加、商品展開」のほか「機能表示(保健用途)の広がり」が寄与していると指摘。機能表示の広がりに伴い身体状況に合わせた商品選択が可能になり、「健康維持のための一つの選択肢」としての認知が進むことも期待できるとする。

 一方、20年度の健康食品全体の市場規模については、前年度比0.7%増の8680億1000万円が見込まれるという。カプセル、錠剤、粉末、ミニドリンク形状等の健康維持増進、美容などを目的にした食品を対象に市場規模を調べた。

 19年度については0.1%増の8623億円と試算しており、20年度は19年度の伸び率をわずかだが上回る見通し。〝コロナ太り〟の問題を受けてダイエット関連や運動関連の需要が増加し、「プロテインが大きく伸長する動きが見られた」と同社。また、コロナ禍で健康意識の高まりが強まる中で、ビタミンなどの基礎栄養関連や、体脂肪など自身で計測できる生活習慣病関連指標の対策に機能する機能性食品などが好調に推移しているという。

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