家計調査 伸びた20年サプリ支出 4年ぶり前年比増(2021.2.25)
総務省統計局が毎月実施している家計調査の2020年平均で、二人以上世帯の健康保持用摂取品に対する1世帯当たり支出額は、前年よりも増加した。コロナ禍で消費支出全体が落ち込む中、サプリメントを中心とした健康保持用摂取品の消費は堅調に推移した。
総務省統計局が2月5日公表した家計調査2020年平均で、二人以上世帯の健康保持用摂取品の1世帯当たり支出額は、1万4427円となり、前年比は名目で8.2%増加した。
増加は2016年以来4年ぶり。20年の月ごとの支出額を追うと、名目の前年同月比は2月以降8月まで7カ月連続で増加。4月以降は2ケタ増が続き、8月は51.7%の増加を記録した。ただ、21.2%の減少を示した9月以降は低調だ。11月、12月は2カ月連続で減少した。
一方、二人以上世帯に単身世帯を加えた「総世帯」における20年の健康保持用摂取品の支出額は、1世帯あたり1万3594円で、前年比は名目で3.6%の増加だった。前年の10.6%減少から回復したものの、二人以上世帯に比べて伸び率が低かった。単身世帯の1世帯あたり支出額は、1万2034円だった。前年比は名目で5.2%の減少。前年の15.8%減から改善したが2年連続で減少した。
二人以上世帯の20年の消費支出は、1世帯あたり27万7926円で、前年比は物価変動の影響を除いた実質、名目ともに5.3%の減少だった。総世帯で見ると、1世帯あたり23万3568円で、前年比は実質、名目ともに6.5%の減少。二人以上世帯、総世帯ともに2011年以降で最大の下げ幅を記録した。
ただ、実収入は、一律10万円の特別定額給付金もあり、両世帯ともに増加した。二人以上世帯では実質で4.0%増加した。一方で、20年12月の二人以上世帯のうち勤労者世帯の実収入は、19年12月以来12カ月ぶりの実質減少を記録。消費への影響が懸念されそうだ。