育毛作用巡り追加知見フラバン、生体への機能示唆(2021.3.25)


 東洋新薬(本部・佐賀県鳥栖市)は3月22日、独自素材「フラバンジェノール」(登録商標)について、生体で育毛作用を示すことを動物試験で確認した他、血流改善による育毛作用を細胞試験で確認したと発表した。

 このほどオンライン開催された日本農芸化学会2021年度大会でも発表した。九州大学大学院農学研究院の片倉善範教授との共同研究で確認したもの。同社が2019年3月、九州大との間で締結した組織対応型連携協定に基づく研究成果の第1弾になる。

 東洋新薬と片倉教授は18年、薄毛対策の新たなアプローチとして、表皮のテロメラーゼ活性化に伴う育毛作用のある素材の探索研究を進める中で、その作用がフラバンジェノールにあることを見出していた。

 今回行った動物試験では、背部を剃毛したマウスにフラバンジェノール1%溶液を週6回、10日間塗布し育毛状態を観察。その結果、フラバンジェノール無添加の対照群と比べて、フラバンジェノール群では育毛が促進している様子が確認された。

 また細胞試験では、血流改善による栄養補給促進を介した育毛作用に寄与するとされるVEGF遺伝子発現量の増加が確認されたという。

 作用メカニズムについて同社では、塗布されたフラバンジェノールが、VEGFや、テロメラーゼ活性化に関わるテロメラーゼ逆転写酵素といった遺伝子発現量を高め、逆に、脱毛を促進するTGFβ1遺伝子の発現量を低下させることで、育毛促進につながることが想定されるとしている。

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