ティーライフ 措置命令に反発(2021.4.8)

Tライフ_①① Tライフ_②①

処分取消訴訟 提起の構え
 健康食品通販のティーライフ(静岡県島田市)に対して消費者庁は3月23日、景品表示法に基づく措置命令の行政処分を行い、発表した。主力製品『メタボメ茶』の商品同梱冊子の中で、痩身効果に関わる優良誤認表示を行っていたとして景表法違反を認定。同庁と公正取引委員会の事務総局中部事務所が共同で調査していた。しかし同社は措置命令に強く反発している。行政処分の取り消しを求める訴訟を提起することなどを取締役で決議したと即日公表し、国と争う姿勢を鮮明にした。

2度目の措置命令
 ティーライフが優良誤認の景品表示法違反で消費者庁から措置命令の行政処分を受けるのは今回が2度目となる。

 同庁は2017年9月、同社で販売する『ダイエットプーアール茶』の自社ウェブサイトの表示について、痩身効果に関する優良誤認表示を行っていたとして処分。その後18年3月、景表法に基づく課徴金納付命令を下した。金額は1313万円だった。

 ティーライフは今回の措置命令に対して、前回とは大きく異なる反応を見せていることになる。
 同社は昨年8月、代表取締役の追加選任を行った。17年の措置命令時に代表取締役社長を務めていた植田伸司氏は現在、代表取締役会長に就いている。一方、代表取締役社長を現在務める西上節也氏は19年に入社。前回の措置命令は直接的に経験していない。

商品同梱の冊子が問題に
 消費者庁の発表によると、今回の措置命令では、同社の主力製品『メタボメ茶』(ポット用ティーバッグ30袋入)の商品同梱冊子「中年太り解決読本」の中で同社が行っていた表示が優良誤認に問われた。

 この冊子で同社は、体型が大きく異なる人物2名のイラストと共に「もう一度、あの頃のスリムな私に!」「2年半でマイナス43kg! その方法を公開中」などと表示しつつ、重合カテキンなど含有成分の量の多さを強調。また、体験談として、人物の前後比較の画像と共に「96kg▼53kg マイナス43kg減」などと表示していた。

 同冊子は、少なくとも2018年4月から翌年6月まで配布されたもの。同商品に同梱される形で消費者に配布されていたという。

 一連の表示に対して同庁は、あたかも同商品を摂取するだけで含有成分の作用による著しい痩身効果が得られるかのように示す表示を行っていたと判断。それに対して同社は、不実証広告規制に基づき表示の根拠資料を同庁に提出したが、同庁は、表示を裏付ける合理的な根拠にはならないと断じ、優良誤認の事実認定を行った。

消費者庁、体験談を疑問視
 また同表示には、「※適度な運動と食事制限を取り入れた結果で実感されない方もいらっしゃいます」などと、得られる効果には個人差のあることを明記していたものの、同庁は、消費者が表示から受ける効果を打ち消す表示(打消し表示)にはならないと判断。

 さらに同庁は、冊子に表示されていた体重減少効果が得られたとする体験談について、「本件商品を摂取したことによるものでなかった」と断定する形で公表。体験談はつくられたものである可能性を示唆した。

 しかしティーライフは、措置命令に至る事実認定と判断には承服し難いとする考えを即日表明。3月23日に開催した取締役会で、措置命令の取り消し訴訟の提起と執行停止の申立てを行うことを決議したとしている。消費者庁による措置命令が公表されてすぐ、取消訴訟を提起する考えを表明した。

 同庁の判断や措置命令に承服し難いとする理由について、同社は取材に、「今後の裁判の審議にも影響があるため回答は控えたい」と回答するにとどめた。

【写真=左:ティーライフは、消費者庁による措置命令が公表されてすぐ、取消訴訟を提起する考えを表明した 右:消費者庁が景表法違反(優良誤認)を認定した商品同梱冊子(画像は消費者庁の公表資料より)】


Clip to Evernote

ページトップ