「膣内環境」サプリが市場へ 通販と医療機関で展開(2021.4.8)
【写真=2種類の乳酸菌を用いて開発したサプリメント「ココラクト」】
雄飛堂が発売
膣内環境に対する働きを訴求する機能性表示食品のサプリメントが市場に投入される。女性のデリケートゾーンに対応するサプリメントはこれまでも市場に流通していたが、機能性表示食品によって謳えるようになった〝膣内環境改善〟の新たなヘルスクレームに、消費者がどう反応をみせるのか注目される。
乳酸菌を関与成分に
膣内環境改善を訴求する機能性表示食品のサプリメントの販売を始めるのは、首都圏で調剤薬局41店舗を展開する雄飛堂(東京都北区)。同社が2019年から事業展開する自社通販とともに、婦人科・産婦人科などにも配荷を進める。発売開始は4月12日。
同社が以前に行った女性約1000名に対して行った調査では、74.4%の女性がデリケートゾーンに不快感や不調を感じていたという。
4月12日から市場投入する新製品『ココラクト』は、乳酸菌GR‐1(Lactobacillus rhamnosus)および乳酸菌RC‐14(Lactobacillus reuteri)を機能性関与成分にしたもの。「膣内環境を良好にし、膣内の調子を整える」働きを訴求するサプリメント。膣内環境の悩みによって日常生活に不安を感じている「女性のQOL向上をサポートする」としている。同品の製造は三協の日の出工場、島根川本工場。30粒入(1カ月分)で、価格は4980円。
同品の機能性の評価は、機能性関与成分に関する研究レビューで届け出た。
消費者庁の機能性表示食品届出情報データベースの公開資料によると、評価対象とした論文は、海外の健常成人女性193名を対象とした無作為盲検比較試験。GR‐1、RC‐14の2つの菌株を10億~50億個含むカプセルを日から60日間経口摂取させ、膣内に存在する細菌の有無や量を示すNugentスコアを調べた。その結果、プラセボや他の乳酸菌を摂取した対照群と比較して、Nugentスコアの正常化やNugentスコアの改善について統計学的に有意差が認められたとし、「GR‐1、RC‐14の膣内細菌叢を正常に整える作用の指標を総括的に判断すると、該当する機能性を発揮することが示唆された」としている。
雄飛堂は、2017年にサプリメント事業を開始し、19年から通販事業を始めた。プラセンタ配合のサプリを柱商材に、GR‐1、RC‐14の2つの乳酸菌を用いた女性向けサプリメント「デリケトール」を販売していた(現在は終売)。
使用する乳酸菌原材料は、デンマークのクリスチャン・ハンセン社が製造。GR‐1とRC‐14の2種類の乳酸菌を配合した乳酸菌原材料「UREX(ユーレックス)」として2004年から手掛けるもの。
日本ではクリスチャン社の日本法人が16年から販売展開していたが、昨年1月に帝人が、国内における健康食品用途、育児用調整粉乳用途での国内販売代理店契約を同社と結び、原材料供給を始めている。