桑の葉、需要拡大の可能性 イミノシュガー 届出増加(2021.4.22)

TOPカット 素材探訪①

【写真=サントリー食品が届け出た桑の葉由来イミノシュガーを機能性関与成分にした飲料の表示見本(画像は消費者庁届出DBより)】

 桑の葉由来イミノシュガーを機能性関与成分とし、食後血糖値の上昇抑制機能を訴求する機能性表示食品の届出が増えてきた。これまでの届出者はファンケルと同社グループのアテニアに限られていたが、今月、サントリー食品インターナショナルなどからの届出が新たに公開。桑の葉は青汁の原材料として使われる場合も多く、青汁の製造を手掛ける業界関係者からは、桑の葉の需要拡大を期待する声も聞かれる。

サントリー食品も届出
 桑の葉由来イミノシュガーの届出総数は、4月16日時点で11件にまで拡大した。そのうち過半数の6件がファンケルおよびアテニアからの届出。同成分の届出が初めて公開されたのは2016年で、ファンケルによる。同社は、『カロリミット』、『大人のカロリミット』の機能性関与成分の1つとして桑の葉由来イミノシュガーを届け出ている。

 桑の葉由来イミノシュガーの届出は、同2社のみで進んできた。その流れが変わったのは昨年12月。桑の葉を原料にしたエキス末などの原材料販売を手掛けるトヨタマ健康食品(東京都中央区)からの届出が公開されたのをきっかけとする。

 トヨタマ健康食品では、桑の葉由来イミノシュガーの研究レビューによる届出を実施。それまでの届出は、表示機能の科学的根拠として主に最終商品のヒト試験を届け出ており、桑の葉由来イミノシュガー単体の研究レビューによる届出は実質的に初めてだった。

 届出表示は、「桑の葉由来イミノシュガーは、食事に含まれる糖の吸収を抑えて、食後に上がる血糖値を抑える機能が報告されています」。届け出た商品は、国産桑の葉を原材料にした青汁である。

届出サポートが始まる
 この届出が呼び水となるかのように、研究レビューによる桑の葉由来イミノシュガーの届出が増え始めた。

 トヨタマ健康食品からの2件目の届出(サプリメント=打錠)が先月公開されたのに続き、消費者庁が4月2日に行った届出情報更新で、健康食品通販を手掛ける和漢(福岡市中央区)、サントリー食品インターナショナル(東京都港区)の2社からの届出が同時に公開された。

 サントリー食品では、機能性表示食品の清涼飲料水『伊右衛門プラス』シリーズとの新製品として、桑の葉由来イミノシュガー(桑の葉エキス)配合品を新発売するとみられる。一方、和漢は、茶カテキン(ガレート型カテキン)も機能性関与成分にしたサプリメントを届出。食後血糖値を抑える働きとともに、肥満気味の人のお腹まわりの脂肪を減らす機能を訴求する。

 トヨタマ健康食品は現在、桑の葉由来イミノシュガーについて機能性表示食品の届出サポートも手掛けている。桑の葉は健康食品の定番素材だが、機能性表示食品市場だと配合商品はまだまだ少ない。桑の葉を使った青汁の機能性表示食品化や、生活習慣対応のサプリメント状機能性表示食品の開発などで、今後、需要が拡大していくこともありそうだ。

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