千件突破の背景に「脂肪」 茶カテキンの届出20年度大幅増(2021.4.22)
【写真=今回の注目の届出 2020年度に届出件数が一気に増えた茶カテキンを機能性関与成分にしたサプリメント(届出番号F998)。届出者はエルベ・プランズ(大阪市淀川区)。】
2020年度「F」シリーズの機能性表示食品の届出総数は、4月14日にあった届出情報更新で1000件を突破、1007件に達した。届出日の上では20年度は終わっておらず、最終的には1100件くらいまで拡大するかもしれない。
今回、別掲の届出更新一覧には25件の届出が収載されている。新たな機能性関与成分、ヘルスクレームは見当たらないものの、脂肪の減少などを訴求するウェイトコントロール(体重管理)関連の届出が比較的目立っている。
該当する届出(機能性関与成分)は、F986(アラニン・アルギニン・フェニルアラニン混合物)▽F988、F1003~5(ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン)▽F990(エラグ酸)▽F991(葛の花由来イソフラボン)▽F998(茶カテキン)▽F1006(大豆ベータコングリシニン)──の計9件。25件の届出全体の3割超を占める。
本稿で注目するのは茶カテキンだ。「茶カテキン(ガレート型カテキンとして)」の名称で届け出されている場合も多い茶由来の同成分の届出総数は、4月14日時点で28件となっている。以前から届け出されていた機能性関与成分のため少し意外だが、うち7割超にあたる20件が「F」シリーズ。20年度に入ってから届出件数が一気に積み上がった。
同成分のヘルスクレームを見ると、一部例外を除いて「肥満気味の方の内臓脂肪を減らす機能があることが報告されています」などと内臓脂肪の減少機能を訴求する。
また、「肥満気味の方のお腹まわりの脂肪(内臓脂肪、皮下脂肪)を低下させ、体重の減少をサポートし、高めのBMIを低下させる機能があることが報告されています」とウェイトコントロール機能を多角的に訴求するものも複数見られる。
茶カテキンの原材料販売および届出サポートを手掛ける原材料事業者は複数存在する。その1社、ビーエイチエヌ(東京都千代田区)のサポートを背景に届け出されたものが今年度、多くなっているようだ。前掲のヘルスクレームのうち体重の減少サポート、BMIの低下を含むものの大半が同社に関連したものとみられる。「ダイエット需要を上手く取り込むことが出来たのだと思います。(届出に関する)問い合わせも非常に多いです」と同社は話す。
茶カテキンに限らず、ウェイトコントロール関連の機能性表示食品の届出が増えている背景には、新型コロナ下での運動不足などを原因にしたいわゆる「コロナ太り」を解消したいニーズが高まっていることがあると見て間違いない。加えて、ダイエット訴求のサプリメント・健康食品を新たに販売しようと考えた時、広告のやりやすさを踏まえると、選択肢は機能性表示食品「一択」と言って差し支えない状況もある。
機能性表示食品の届出は今後さらに増えていくだろう。けん引する訴求機能の1つはウェイトコントロールであるに違いない。