認知機能領域 味の素も参入 アミノ酸活用 アプリも(2021.5.27)
【写真=味の素が新発売した認知機能領域の機能性表示食品「脳活セブンアミノ」】
認知機能の維持を助ける働きを訴求する機能性表示食品の顆粒状サプリメントを味の素(東京都中央区)が5月25日に新発売した。ロイシンやフェニルアラニンなど同社独自の「7種必須アミノ酸」を機能性関与成分にしたもの。通販限定で展開し、2021年度に売上高3億円を目指す。
同商品の販売に当たっては、同社が独自に開発したスマートフォン用アプリも活用していくようだ。同社は5月19日、機能性表示食品『脳活セブンアミノ』の新発売を発表すると同時に、国立長寿医療研究センターとの認知機能を巡る共同研究成果を背景にしたアプリ『100年健脳手帳』を開発、リリースしたことを明らかにした。
味の素によると、同アプリの概要は、食事、運動、睡眠を指標にしたユーザーデータを同社独自のアルゴリズムで解析、評価。その結果に基づき、将来予想される「認知機能の状態を可視化」する。その上で、各ユーザーの状態に適したアドバイスの他、認知機能の維持に必要な栄養素を摂取できるレシピを提案するという。ダウンロード、利用ともに無料。
同社では、脳活セブンアミノの購入者に対し、「製品と情報・サービスを含めた『脳活プログラム』」を提供していく計画も明らかにしている。
提供する情報・サービスに関しては社内外の企業と協業していくといい、認知機能を巡る社会課題の解決に貢献することを目指し、社外企業も巻き込みながら、同商品とアプリの普及を図っていくようだ。
脳活セブンアミノの届出ヘルスクレームは、「記憶力の衰えを感じている健康な中高年の方の、加齢によって衰える認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性を維持し、前向きな気持ちをサポートする機能があります」(一部抜粋)。今年2月19日に届出が公開されていた。
60本入(約30日分)9720円。
体感性 見える化でカバー
認知機能領域の機能性表示食品を販売展開するに当たり、スマートフォンとアプリを活用する動きは、他社でも見ることができる。
「β‐ラクトリン」を機能性関与成分にした認知機能領域の飲料などを販売するキリングループでは、「脳トレ」(脳力トレーニング)アプリを独自に開発。機能性表示食品とアプリを併用しながら、アプリの機能を使って自分の脳の状態を把握。そしてまた商品とアプリを併用する循環型の活用方法を提案している。
認知機能領域の食品を普及させるに当たり、大きな課題となるのは「体感性」だ。その課題を解消するために、味の素、キリングループともアプリに目を付けたと言える。脳や認知機能の状態を数値で可視化することで、体感性を補う狙いがありそうだ。