イカ由来NAG製造開始 大量生産成功 甲陽ケミカル(2014.3.6)
甲陽ケミカル㈱(大阪市北区)がイカ由来のN‐アセチルグルコサミン(NAG)の製造販売を新たに始めた。烏賊骨(うぞっこつ)などとも呼ばれるイカの中骨から抽出したキチンを原材料とするもの。美容やロコモティブシンドローム対応のサプリメントから一般加工食品まで幅広く提案していきたい考え。
「KOYO SQNAG」の名称で市場に売り込む。SQは、イカの英名「SQUID」に由来する。
原材料となるイカ中骨由来キチンはタイなど海外から調達し、同社生産拠点の鳥取・境港工場で製造する。NAG純度については95%以上で規格化しているが、「製造上は98~99%以上のものがほぼ安定的に得られている」としている。
同社によれば、同原料は、イカ軟骨由来キチンから完全酵素分解によるNAGの大量製造に成功した「世界で初めて」の製品。2種類の加水分解酵素を同時に使用して効率よくキチンを分解する。これにより、分解産物はNAGのみになるため「精製を繰り返す必要がなく、ワンパスで高純度のNAGを得られる」という。
NAGを巡っては今年に入り、日本健康・栄養食品協会が専門部会を立ち上げJHFA規格基準づくりを進めている。またグルコサミン研究会などではその機能性について、関節痛軽減作用が報告されたり、グルコサミンとの機能的役割の違いが示されたりしており、同社では「(NAGは)今年注目の素材と云える」としている。