カツオ由来エラスチン 〝血管ケア〟普及へ (2021.6.24)
林兼産業が届出支援
カツオ由来エラスチンペプチドを機能性関与成分にした機能性表示食品について、血管の「しなやかさ」や「柔軟性」の維持に役立つ働きを訴求する届出が公開され、機能性表示食品として届出が可能なヘルスクレームが拡大した。これを受け、同成分を国内自社工場で製造・販売する林兼産業(山口県下関市)が機能性表示食品の届出サポートを強化する。
届出表示に「しなやかさ」維持
血管のしなやかさの維持に役立つなどといった「血管ケア機能」は、林兼産業製のカツオ由来エラスチンペプチドとして新たなヘルスクレーム。これまでに数件の届出実績がある、膝関節の軽い違和感を和らげるなどといった「関節ケア」に続くもので同成分として可能な機能性表示の領域が「関節」から「血管」にまで広がったことになる。
今後、「肌」に関するヘルスクレームも実現したい考えだ。肌の「弾力維持」を訴求できるようにすることをめざす。
関節ケア、血管ケアともに、同社でシステマティックレビュー(SR)を実施しており、同社では今後、これまでの関節ケアに加えて血管ケアに関しても、原材料供給とともにSRなど届出に必要な資料を提供する届出サポートを進めていく。これにより、カツオ由来エラスチンペプチドの需要底上げを図りたい考えだ。
少量の摂取で有効性が報告されていることを強みにする。現在までに届け出されているSRによれば、関節ケア、血管ケアともに、カツオ由来エラスチンペプチドを1日あたり「75㍉㌘」摂取することで有効性が期待できる。
カツオ由来エラスチンペプチドで血管ケア機能を訴求できる意義について同社では、「血管に対する漠然とした不安感から、血圧訴求の商品を購入されている方々に対して強烈なインパクトになるだけでなく、正常血圧の方々の興味・関心を引くこともできると考えられ、市場の開拓性の面で非常に面白みのある機能性表示食品になり得る」としている。
血管由来の成分 弾力性に寄与
エラスチンは、ゴムのような弾力性を備えることを特徴とするタンパク質の一種。生体では、肌や血管など伸縮性が必要な部位に特に多く含まれ、これらの部位に対して弾力性を与える役割を果たしているとされる。新たなヘルスクレームである「血管」との関連性・親和性が極めて高い成分と言える。
林兼産業が製造・販売するカツオ由来エラスチンペプチドは、カツオの血管の一部である動脈球を原料にしたもの。エラスチンに特有のアミノ酸の一種、デスモシンおよびイソデスモシンを規格化している。
今回、血管ケア機能の科学的根拠として同社が実施したSRでは、同社が2017年に国内査読付き誌に発表した、健常な日本人男女を被験者にしたRCT(ランダム化比較対照試験)論文が採択されている。
この論文は、FMD(血流依存性血管拡張反応)とPWV(脈波伝播速度)を評価指標とし、カツオ由来エラスチンペプチドの継続摂取に伴う血管弾力と血管機能の向上効果を検証、報告したもの。同社製のカツオ由来エラスチンペプチド摂取群は、FMDとPWVの双方について、プラセボ摂取群との比較で有意な改善が認められたことなどを報告している。