送りつけ商法 名簿業者を初検挙 京都府警(2014.3.6)
注文されていない健康食品を強引に送りつける詐欺的商法を巡り、名簿販売業者が初めて検挙された。京都府警生活経済課が2月17日、同商法で昨年摘発された業者に、健康食品購入者など約1万人分の名簿を販売したなどとして、東京・豊島区の名簿販売会社「ユール」の社長(34歳・男)を詐欺ほう助などの容疑で逮捕。「詐欺をしている会社とは知らなかった」などとして容疑を否認している。
同課によれば、同社や関係先から押収した名簿は個人、法人合わせ延べ3億件以上。個人名簿には氏名、住所、電話番号、誕生年が含まれ、健康食品購入者、高額訪問販売購入者、一人暮らし女性などに分類されていた。 同課調べでは、同社社長は2012年12月、健康食品購入歴のある高齢女性の名簿約1万人分を、昨年6月に東京都ほか5県から送りつけ商法絡みで業務停止命令を受けていた東京都内の電話勧誘販売業「スフィーダ」に4万2000円で販売し、同社が岡山県の女性に不告知で健康食品を2万3500円で購入させる助けをしたという。
都によれば、スフィーダは12年6月から13年3月にかけて約1000万円を売り上げていた。また同課によると、同社は12年10月以降、ユール以外からも、約42万人分の名簿を約176万円で購入していた。
健康食品の送りつけ商法を巡っては、12年末頃から急増し始め、ピーク時の相談件数は月間5000件以上にも上っていた。ただ、警察が詐欺容疑などで一斉検挙に乗り出したこともあり、昨年8~10月以降、相談数は急減している。