CBDを「専ら非医に」事業者が要望書 議連に提出 (2021.8.12)
衆議院議員の超党派で構成されるCBD議連(カンナビジオールの活用を考える議員連盟)の第2回総会が、7月21日に衆議院第二議員会館で開催された。総会では、CBD事業者のワンインチ(東京都渋谷区)代表の柴田耕佑氏が、CBD事業者の代表発表者として登壇し、国内のCBD市場の現状について説明した。同社が総会の内容を明らかにした。
総会で柴田氏は、先般の厚生労働省の検討会で提言されたCBDの医薬品を日本でも承認する場合、CBDが食薬区分の専ら医薬品リストに収載されるおそれがあると指摘。
その上で、「THC基準値を明確化した成分規制の導入」と「CBDの非医薬品リストへの追加」を国に要望するため、議連事務局長である松原仁議員に対して、CBD関連事業者100社以上の賛同を集めた提言書を提出した。
現時点において、食薬区分におけるCBDの立ち位置は、専ら医薬品、専ら非医薬品のいずれでもない。どちらに属するかは、事業者等からの照会があれば、厚労省が組織する有識者グループ(ワーキンググループ)が審議、判断することになる。ただ、医薬品としての使用実態がある場合、専ら非医薬品と判断されることは困難だとされている。
CBDの医薬品承認はほぼ既定の路線であることからも、議連らの今後の動きに注目したい。提言書を提出した柴田氏は、本紙の取材に対し、次のようにコメントした。
「CBDが医薬品リストに収載される場合、一般食品としての取り扱いは基本的にはできなくなる。CBDは毒性や依存性は限りなく低いことから、非医薬品リストへの収載を要望した」
今回の総会において、CBDの食薬区分に言及した点は、CBD業者からも注目を集めている。情報不足を理由に、今回の提言書には賛同の署名をしなかった東京都内のCBD事業者も、今回の柴田氏の発言を評価し、「CBD製品を扱う業者にとっては、大きな問題。今後も議連の動きを注視していきたい」と語っている。
議連トップは自民党・河村建夫氏
柴田氏の説明によると、CBD議連はサプリメントとしてのCBDなどカンナビノイド製品を有効活用するための法整備を目的に設立されたもの。会長は自民党・河村建夫氏、事務局長は前出の立憲民主党の松原仁氏が務める。
この日の総会には、厚生労働省・農林水産省・経済産業省の担当各課の行政官10名ほか、与野党議員3名、CBD事業者約40名などが参加(河村氏は欠席)。
当日は、昨年から今年にかけて行われた「大麻等の薬物対策のあり方検討会」のとりまとめとなる3つの方向性である①大麻由来の医薬品承認②大麻の部位規制から成分規制③大麻使用罪創設、を受けて、「CBD市場の現状と課題について」と題して、各者で協議を行った。
時期は未定だが、第3回総会が開催される予定もあるという。
【写真=ワンインチの柴田代表(右)が要望書を松原議員(左)に手渡し。CBD議連の第3回会合は総選挙後に予定しているという。(写真提供ワンインチ)】