乳業3社、機能食品が好調 1Q業績 2ケタの増収増益も(2021.8.26)


 国内乳業メーカー大手3社の機能性食品の販売が堅調に推移している。このほど出そろった第1四半期決算では、各社とも機能性食品を含む事業カテゴリーの売上高が前年同期を上回った。明治と雪印は2ケタ増と好調だ。新型コロナウイルス感染拡大を受けた消費者の健康意識の高まりが背景にある。

 明治ホールディングスの2022年3月期第1四半期のニュートリション事業の売上高は、前年同期比10.1%増の305億円。営業利益は同18.1%増の48億円となり、2ケタの増収増益を計上した。

 同事業の商品別業績をみると、『ザバス』や『ザバスミルク』などといったスポーツプロテインの売上高が34~35%増と大幅に増加したのが目を引く。増加の背景について同社担当者は、「運動不足解消ニーズが高まり、ザバスを利用する人が増えた。女性や少し運動をする人のザバスの利用も増加した」と話す。

 一方、森永乳業(東京都港区)の22年3月期第1四半期におけるウェルネス事業の売上高は1.8%増の108億6800万円、営業利益は4.8%減の9億700万円と増収減益だった。育児用ミルクなどが減収し、損益に影響した。

 ただ、サプリメントの売上高は増加。「健康意識の高まりに加え、超高齢化社会の進展によるサプリメント需要の増加、ニューノーマルに合わせてインターネット通販に注力したことなど、複合的な要因で売上が増加した」(同社担当者)。

 雪印メグミルクでも22年3月期第1四半期の機能性食品カテゴリーの売上高が増加した。前年同期比22.3%増の16億円となった。けん引したのはサプリメントや飲料の「毎日骨ケアMBP」シリーズだ。

 MBPを機能性関与成分に、「骨密度を高める」機能を訴求する『MBPドリンク』を3月に発売した結果、MBP配合シリーズ品への注目度が上昇したようだ。同社では、健康意識の高まりを受けて需要が増加した、という。

 同社では、MBPシリーズは第2四半期も引き続き好調に推移すると予測。同カテゴリーの第2四半期売上高は、前年同期比3.6%増加すると見込む。



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