売上高500億円目指し生産増強 キリンHD、プラズマ乳酸菌に投資 今後の需要に対応(2021.9.9)
キリンホールディングス(東京都中野区)は、独自素材『プラズマ乳酸菌』の菌体製造能力を増強する。
同社グループの小岩井乳業・東京工場(埼玉県狭山市)で生産しているプラズマ乳酸菌の菌体製造ラインを増設する。現状の年産約14tから2倍の約28tにまで引き上げる。23年春頃の稼働を目指す。投資額は約9億円。
製造ラインを増設することで今後の需要に対応する。体調管理意識の高まりなどを背景に、プラズマ乳酸菌配合の飲料やサプリメントの販売が伸長している。それに加え、今後、国内におけるプラズマ乳酸菌の外販(原材料供給)事業を強化したり、米国など海外市場での販売を加速させたりする計画だ。こうした施策により増加する見通しの需要に備える。
同社は、27年までに、プラズマ乳酸菌関連事業の売上高を500億円規模にまで引き上げる考え。現在は100億円台にとどまり、目標を達成するには、一層の拡販とともに菌体生産能力の更なる増強が必須となる。
同社は9日に開いた記者会見で、「売上高500億円を達成するには28tではまだ不足している。今後さらに生産規模を高めていきたい」(佐野環・ヘルスサイエンス事業部長)とコメント。売上高目標の達成と生産能力の一層の増強に意欲を示した。
プラズマ乳酸菌は、機能性表示食品の機能性関与成分として、健康な人の免疫機能維持する働きを訴求できる。同社では、自社およびグループ会社での最終商品販売に加え、外部企業への原材料供給を進めている。国内では、BtoC(対消費者)、BtoB(対事業者)の両輪を回しながらプラズマ乳酸菌事業を拡大させていく構えだ。
今後、外部企業からのプラズマ乳酸菌を配合した機能性表示食品の発売が相次ぐ。既に今月6日からオリヒロプランデュがゼリーの販売を始めている。10月にはカンロがグミを投入する。さらに11月にも森永製菓が参入し、のど飴やチョコレートなど3品の販売を始める予定。