関与成分の分析など要求 消費者庁 機能性表示検討(2014.3.6)
食品の機能性表示制度を検討している、消費者庁の検討会(松澤佑次座長・大阪大学名誉教授)は2月25日、製造段階における安全性や品質の確保について議論を行った。消費者庁が提出した対応方針案に沿って議論が進められ、食品衛生法などの現行規定を遵守のうえ、さらに製品規格を定めそれに基づいた関与成分量などの分析や、幅広い情報開示を求める同対応方針案を検討会としても概ね了承した。
同庁の対応方針案は、「安全性を確保するうえでは、機能性表示を行う関与成分が、予め事業者が規格した範囲内に入っていることが必要」だとし、その確認のための関与成分の分析と、混在物や不純物など、特に管理すべき成分の分析を行い安全性を担保することを求めた。分析は食品衛生法に基づく登録検査機関で行うことにしている。
また、HACCPやGMP(適正製造規範)、ISOなどの品質管理も含めた幅広い情報を開示し、消費者の自主的かつ合理的な商品選択に資する情報を提供する。情報開示する項目については①関与成分及び安全性に関わる成分量に関する規格②施設や作業員の衛生管理体制③異物混入や他製品との混同の防止体制④製品の均質性とその管理体制⑤規格外製品の出荷防止体制⑥製造・品質等の記録文書やサンプルの保管体制⑦製品分析の結果―の7点を挙げた。
一方、委員の一部からは錠剤・カプセル状食品に対するGMPの義務化または必須条件にすべきとの意見が上がった。GMPは米国制度では義務化されているが、国内では05年の厚生労働省ガイドラインに基づき2つの団体が認定事業を行っているものの、あくまでも民間認定であり法的な裏付けがない。消費者庁の竹田食品表示企画課長は「国の制度に民間認定を義務付けることはできない」として義務化には否定的な見解を示す一方、「(GMP)レベルの品質管理であることをきちんと担保できるかたちで考えたい」と引き取り、錠剤、カプセルなどについては一定の品質確保を求めていく可能性を示唆した。
検討会ではこのほか、基原材料を保証するための確認試験の必要性や、錠剤などについての崩壊性の問題、さらに、製造段階での成分劣化や保存劣化などの指摘があった。また、特定保健用食品(トクホ)や医薬品で実施しているような、販売後の収去試験を実施するなど、市場に出回ったあとの製品についても安全性確保を求める意見もあった。
なお、参考人として日本健康食品規格協会(JIHFS)の池田秀子理事長が出席し、米国ダイエタリーサプリメント制度における安全性確保について説明を行った。池田氏は、米国では輸入を含めcGMPによるサプリメントの品質確保が義務付けられていること、厚生労働省のGMPガイドラインと違い、米cGMPでは同一性の確認など、原料から最終製品に至る品質保証に関する要求基準が詳細に示されているなど、日本との違いを説明した。
次回は4月4日に開催し、健康被害情報の収集など、引き続き安全性確保策について議論する。
【写真は、GMPなど品質管理について議論した2月25日の検討会】