ファーマフーズ 21年7月期業績 (2021.9.9)
売上3倍超、経常630%増 通販事業売上435億円
ファーマフーズ(京都市西京区)グループの年間売上高が460億円を突破した。業績好調の背景にあるのは通信販売事業の成長だ。2021年7月期連結決算で同事業の売上高は435億円以上に上り、前年同期比は245%の増加と大幅な伸長を示した。上げ潮基調の有力通販会社の体をなしているが、同社は原材料事業者でもある。同期の機能性素材事業の売上高は28億5000万円となり、前期から約11%増加した。通販事業ほどではないが堅調な成長を見せている。
ファーマフーズは9月6日、2021年7月期の連結決算を発表した。売上高は対前年比204.5%増の467億5200万円、経常利益は同631.0%増の57億6700万円、当期純利益は同455.9%増の38億4100万円の大幅な増収増益だった。
通販事業の売上高は同245.7%増の435億2400万円。広告宣伝費について、期初に想定していた110億円前後から248億円と大幅に増額することになったものの、利益回収が大きく進捗。セグメント利益が大きく伸び、同872.3%増の55億7500万円となった。
21年7月期の通販事業売上高を四半期ごとにみると、▽第1四半期79億2200万円▽第2四半期109億7900万円▽第3四半期125億6700万円▽第4四半期120億5400万円──。第2四半期までの累計売上高が前期の年間売上高125億円(通販事業のみ)を超えた後も伸び続け、前期実績を大幅に上回ることになった。
また、同事業で手掛ける最終商品の販売概況をみると、主力商品の「ニューモ育毛剤」は、テレビやウェブ、新聞広告などを通じて新規顧客を獲得するとともに、既存顧客のリピート購入も増加したことで、267億円を売り上げた。同品の19年11月から20年10月まで1年間の累計売上高は75億円超とされている。この期間との比較では、3倍以上の伸びを示したことになる。
一方、サプリメントについては、「ニューモ サプリメント」が38億円、膝関節に役立つサプリメント「タマゴサミン」が30億円をそれぞれ売り上げるなどして利益に寄与した。
通販事業業績の急拡大の背景には、定期顧客件数が大きく増えたことがある。育毛剤を中心に顧客獲得が進展した。今年7月末時点での定期顧客件数は、前年から3倍以上の77万件まで増加したという。
同社はさらなる業績の拡大を見込んでいる。今期、22年7月期の通期連結業績予想は、売上高606億円、経常利益57億円、当期純利益40億円としている。
今期から、8月30日に子会社化が完了した明治薬品の業績が組み込まれることになる。
機能性素材事業2ケタ増 OEM好調で全体底上げ
ファーマフーズの2021年7月期連結決算で、独自サプリメント素材等の原材料販売などを手掛ける機能性素材事業の売上高は28億5200万円だった。前期から約11%増加した。ただ、セグメント利益は同3.7%減の7億7000万円と減少した。
機能性素材事業の21年7月期概況は、『ファーマギャバ』はじめ『セレプロン』『HGP』の売上高が増加した。加えて、同事業の枠組みで展開しているOEM事業の売上高が大きく伸びたことで、機能性素材事業全体を押し上げた。
OEM事業の売上高は前期比約34%増の7億3900万円。同事業では、最終製品の製造は外部委託(国内)しつつ、自社の独自素材から他社素材まで活用しながら、コンセプトも含めた商品設計を丸ごと受託。海外顧客からの引き合いも増えている。
素材別の売上高を見ると、機能性表示食品対応素材のファーマギャバの売上高は前期比9.1%増の13億4800万円。食品メーカーによる採用拡大が売上増につながった。また、特に海外で売り込んでいる美白対応素材のセレプロンの売上高は、前期から約21%伸長し、1億2100万円だった。
売上高が最も大きく伸びた素材は、毛髪ケア素材のHGPで、前期比約218%増を記録。同社の通販事業で主力の育毛剤に配合されていることが評価され、特に中国での需要が増加した。ただ、売上高は5000万円にとどまる。
一方で、中国のサプリメント向け販売が減収したことで、『ボーンペップ』は売上高が前期から減少した。国内向け販売は堅調だったものの、前期比8.5%減の2億4800万円と奮わなかった。