キリン、BtoC事業再編 協和発酵の通販事業継承へ(2021.10.7)

キリン図表予定①

 キリンホールディングス(東京都中野区)がサプリメントのBtoC(対消費者)事業を再編、強化する。これまで部分的な連携にとどめていたグループの協和発酵バイオで手掛けるサプリメント通販事業とキリンHD本体の同通販事業を完全に一体化させるなどし、サプリメント通販事業を成長、加速させる狙いだ。独自素材の原材料販売などBtoB(対事業者)事業との両輪をさらに大きく回していくことになる。

 キリンHDは、サプリメントの販売や原材料供給などを手掛けるヘルスサイエンス事業の体制再編を実施すると先月21日に発表。グループの協和発酵バイオの他、資本業務提携するファンケルと連携し、ヘルスサイエンス事業のうちBtoC事業の体制再編を行うもので、協和発酵バイオが展開してきたサプリメント通販事業が近く、キリンHDに事業譲渡されることなどを明らかにした(第1049号既報)。

 ファンケルとの連携については、キリングループで販売を手掛けるサプリメント類の大半の製造を、ファンケル子会社・ファンケル美健が運用する三島工場に委託する。サプリメントの製造をファンケル美健に委託する動きは、既に今年8月から始まっていた。今後、最終商品の販売だけでなく、製造面からもファンケルとの連携を深めていくことになる。

協和発酵はBtoB事業に特化へ
 一方、グループの協和発酵バイオとの連携では、同社のサプリメント通販に関わる事業部と、キリンHDのヘルスサイエンス事業部を完全一体化させ、キリンHDを主体としてサプリメント通販事業を加速させる。

 そのため協和発酵バイオは、今年12月末にも同事業部をキリンHDに譲渡する。これにより、現在、協和発酵バイオが通販で展開しているオルニチン、シトルリン、コエンザイムQ10などのサプリメント19品目の販売は、キリンHDが引き継ぐことになる。

 また、これに伴い、協和発酵バイオが販売するサプリメント(最終商品)の製造を担う同社ヘルスケア土浦工場(茨城県土浦市)について、今年11月末にも生産活動を終了させ、建屋を解体する。これにより、協和発酵バイオは今後、独自のアミノ酸類をはじめとするサプリメント・医薬品原材料のBtoB(対事業者)に特化した事業展開を国内外で加速させる。

【写真=体制再編の概要 サプリ通販事業を強化する狙い】




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