サプリ支出減少続く 8月、27%減 家計調査 5カ月連続のマイナスに いつ止まる?(2021.10.11)
総務省統計局が8日公表した今年8月の家計調査で、サプリメントなど「健康保持用摂取品」の1世帯あたり支出額が1128円となり、前年同月比は、物価変動の影響を除いた実質で27.8%のマイナスと大幅に落ち込んだ。前の年の8月の1世帯あたり支出額は1563円で、前年同月から実質で50%増加していた。反動減とみられる。
健康保持用摂取品に対する1世帯あたり支出額の前年同月比マイナスは、今年4月以来、5カ月連続。28%以上の減少率は4月以降最大で、前の月から減少率が10ポイント以上増加した。月を追うごとに減少率が増加している格好だ。ただ、8月の支出額を前の月と比較すると、約20円とわずかだが増えている。
8月の健康保持用摂取品に対する1世帯あたり支出額を世帯別にみると、勤労者の世帯は858円となり、前年同月比は名目で18.0%のマイナス。また、主要な購入者層と考えられる勤労者以外の世帯は、26.1%減の1387円で、両世帯とも支出額が大幅に減少した。減少はそれぞれ3カ月連続。
減少率の大きかった勤労者以外の世帯は、ここまで3カ月連続で、1世帯あたり支出額が前年同月から18.5~26%超の割合で減少している。また、8月は、今年3月以来6カ月ぶりに支出額が1400円を下回った。
ただ、健康保持用摂取品に対する1世帯あたり支出額の減少は8月で止まる可能性がある。前年9月の支出額は1057円にとどまり、前年同月比は22.3%のマイナスと、それまで7カ月連続で続いていた連続増加記録をストップさせていた。
もし、9月もマイナスが続けば、健康保持用摂取品に対する消費意欲が前年から相当落ち込んでいる可能性を強く憂慮する必要が生じるとはいえ、次回の家計調査結果が注目される。
なお、日本通信販売協会が会員企業123社を対象に行った今年8月の通販売上高調査の結果、健康食品の売上高は144億円、前年同月比は「0.0%」で横ばい。それまで14カ月連続で続いていた増加がストップした。